日本オラクルは「主流となるマルチクラウド活用」の調査結果を発表した。この調査は、北米で1,000人以上、日本を含むその他の地域で500人以上の従業員を有する企業を対象とし、合計1,500人に組織内でのクラウドの利用方法について調査したというもの。
調査の結果、調査対象の企業の98%が「少なくとも2つのクラウド・インフラストラクチャ・プロバイダー(IaaSとPaaS)を利用している、または利用する予定」であるという。
また、31%が「4つ以上のクラウド・インフラストラクチャを利用または利用予定」としており、日本でも98%が「2つ以上」、35%以上が「4つ以上を利用または利用予定」であると回答。
そして96%の企業が、「少なくとも2つのクラウド・アプリケーション・プロバイダー(SaaS)を利用している、または利用する予定」であり、45%が「5つ以上のプロバイダーのクラウド・アプリケーションを利用または利用予定」と回答している。
日本では、「2つ以上」は約92%とグローバル全体より低くなっているものの、「5つ以上を利用または利用予定」という回答は約60%とグローバルを大きく上回っている。
なお、グローバル企業におけるマルチクラウド戦略の推進要因の上位2つは「データ主権/データの局所性(41%)」と「コストの最適化(40%)」となっている。その他の推進要因としては、「ビジネスの俊敏性とイノベーション(30%)」、「ベスト・オブ・ブリードのクラウド・サービスとアプリケーション(25%)」、「クラウドベンダー・ロックインの懸念(25%)」などが挙げられている。
日本企業においてもグローバルと同様に、「コストの最適化(44%)」と「データ主権/データの局所性(33%)」が上位2つの要因となっている。次いで、「ビジネスの俊敏性とイノベーション(28%)」、「ベスト・オブ・ブリードのクラウド・サービスとアプリケーション(28%)」、「規制対応(28%)」が挙げられている。
日本で現在最も期待しているマルチクラウドのユースケースとして「開発者の選択支持(23%)」が最も高く、次いで「複数のパブリック・クラウドでのコスト最適化(21%)」となっている。
また、将来的に期待されるユースケースは「データの冗長化・バックアップ(61%)」、「ワークロードやデータのモビリティ(56%)」がグローバル同様に上位となっている。日本企業においては、「地理的拡大やグローバルなサービス提供(46%)」も上位となっており、次いで「複数のパブリック・クラウドでのコスト最適化(41%)」、「開発者の選択支持(41%)」が挙げられており、将来のユースケースにおいても開発者の選択を尊重する傾向が見られるとのこと。
日本オラクルの常務執行役員 クラウド事業統括 竹爪慎治氏は今回の発表にあたり次のように述べている。
「今回の調査では、日本を含むグローバルの企業のほとんどがマルチクラウドを利用または利用予定と回答しています。その準備ができているかどうかにかかわらず、マルチクラウドは無視できない存在となっており、事業の変化の中で短期間でマルチクラウド環境に変更する可能性もあれば、戦略的に最適なクラウドを段階的に選定して利用したいと考えている企業もいます」
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