「FlashArray//Cシリーズ」の登場でオールフラッシュ化が進展
1月末に終了したピュア・ストレージの2023年度のビジネスは、売り上げが27.5億ドルで対前年成長率は26%だった。市場ではクラウドシフトが進んでいるが、オンプレミスベースのソリューションであるピュア・ストレージは2桁成長を続けている。高い成長率を維持している背景には、オンプレミスで利用するストレージ製品の購入モデルとして、継続的なアップグレードを可能にしたサブスクリプション型の「Evergreen Storage」がある。
2023年度、サブスクリプション型の契約による年間経常収益は11億ドルを超え、対前年成長率は30%となった。Evergreen Storageのクラウド型ストレージの使われ方は、今後も確実に増えると考えられる。Evergreen Storageがグローバルで市民権を得てきたことが、難しいビジネス環境下でも同社の好調なビジネス結果につながる。
ピュア・ストレージは、世界中のディスク・ストレージを着々とオールフラッシュに置き換えてきた。結果的に同社は、グローバルで1万1,000社以上の顧客を獲得するに至った。利用ユーザーの満足度を表すNPS(Net Promoter Score)も80点以上をキープしており、この数字の高さは同社製品が顧客に評価されている証だと自負するのは、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長 田中良幸氏だ。
10年余りの日本のビジネスで「ディスク・ストレージ、もういらないでしょう」と、言い続けてきたと田中氏。そのことが、ユーザーの間でもかなり浸透した。そしてピュア・ストレージが目指すディスク・ストレージがいらない状況を加速させるのが、今回発表の「FlashBlade//Eシリーズ」だと言う。
ピュア・ストレージ・ジャパン アジア太平洋・日本地域担当 プリンシパル・テクノロジストの岩本知博氏は、7年半前の入社時にピュア・ストレージのプレゼンテーション・スライドにあった「Flash for all」と「No more Hard Disk」のメッセージを見て入社を決めたと言う。
No more Hard Diskは、データベース、サーバー仮想化、VDI(デスクトップ仮想化)の3つのユースケースで、5年ほど前までに「FlashArray//Xシリーズ」、およびその前身の「//Mシリーズ」で対応してきた。しかしコストが高いこともあり、性能が必要なユースケースでしか製品をなかなか採用してもらえなかった。「重複排除や圧縮、さらにはラックスペースの削減など、TCOまで考慮しないと、予算にはまらなかったというのが正直なところです」と岩本氏。
日本市場で本格的にオールフラッシュ化が進むきっかけとなったのが、4年前に市場投入した「FlashArray//Cシリーズ」だ。これはブロック、iSCSI、NVMe-oF(NVMe over Fabric)に対応し、CIFSとNFSプロトコルが使えるユニファイド・ストレージだ。QLCのNAND型フラッシュメモリを使い、大容量、高密度でSASのハードディスクと同じくらい価格となるオールフラッシュとなった。「これでNo more Hard Diskが進み、オールフラッシュ化が進展しました」と岩本氏は言う。性能要件がそれほど高くないデータベースやサーバー仮想化、さらにバックアップ目的でも//Cシリーズは採用されることとなる。