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週刊DBオンライン 谷川耕一

ピュア・ストレージがついに発表!「オールフラッシュ・データセンター」のための“最後のピース”


 ピュア・ストレージは、米国で2009年に創業した新しいストレージベンダーだ。3月14日には、日本法人も10周年を迎えた。グローバルおよび日本での十数年の活動で、強固な顧客基盤を築き業績は順調に伸びている。同社のラインナップにディスク・ストレージ製品はない。創業以来オールフラッシュ・ストレージだけを提供し、目指しているのが「オールフラッシュ・データセンター」の実現だ。ピュア・ストレージは順調にディスク・ストレージを置き換えてきたが、それが進まず残っていた領域がある。いよいよそこを埋める、新たな製品が発表された。

「FlashArray//Cシリーズ」の登場でオールフラッシュ化が進展

 1月末に終了したピュア・ストレージの2023年度のビジネスは、売り上げが27.5億ドルで対前年成長率は26%だった。市場ではクラウドシフトが進んでいるが、オンプレミスベースのソリューションであるピュア・ストレージは2桁成長を続けている。高い成長率を維持している背景には、オンプレミスで利用するストレージ製品の購入モデルとして、継続的なアップグレードを可能にしたサブスクリプション型の「Evergreen Storage」がある。

 2023年度、サブスクリプション型の契約による年間経常収益は11億ドルを超え、対前年成長率は30%となった。Evergreen Storageのクラウド型ストレージの使われ方は、今後も確実に増えると考えられる。Evergreen Storageがグローバルで市民権を得てきたことが、難しいビジネス環境下でも同社の好調なビジネス結果につながる。

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 ピュア・ストレージは、世界中のディスク・ストレージを着々とオールフラッシュに置き換えてきた。結果的に同社は、グローバルで1万1,000社以上の顧客を獲得するに至った。利用ユーザーの満足度を表すNPS(Net Promoter Score)も80点以上をキープしており、この数字の高さは同社製品が顧客に評価されている証だと自負するのは、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長 田中良幸氏だ。

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ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長 田中良幸氏

 10年余りの日本のビジネスで「ディスク・ストレージ、もういらないでしょう」と、言い続けてきたと田中氏。そのことが、ユーザーの間でもかなり浸透した。そしてピュア・ストレージが目指すディスク・ストレージがいらない状況を加速させるのが、今回発表の「FlashBlade//Eシリーズ」だと言う。

 ピュア・ストレージ・ジャパン アジア太平洋・日本地域担当 プリンシパル・テクノロジストの岩本知博氏は、7年半前の入社時にピュア・ストレージのプレゼンテーション・スライドにあった「Flash for all」と「No more Hard Disk」のメッセージを見て入社を決めたと言う。

 No more Hard Diskは、データベース、サーバー仮想化、VDI(デスクトップ仮想化)の3つのユースケースで、5年ほど前までに「FlashArray//Xシリーズ」、およびその前身の「//Mシリーズ」で対応してきた。しかしコストが高いこともあり、性能が必要なユースケースでしか製品をなかなか採用してもらえなかった。「重複排除や圧縮、さらにはラックスペースの削減など、TCOまで考慮しないと、予算にはまらなかったというのが正直なところです」と岩本氏。

 日本市場で本格的にオールフラッシュ化が進むきっかけとなったのが、4年前に市場投入した「FlashArray//Cシリーズ」だ。これはブロック、iSCSI、NVMe-oF(NVMe over Fabric)に対応し、CIFSとNFSプロトコルが使えるユニファイド・ストレージだ。QLCのNAND型フラッシュメモリを使い、大容量、高密度でSASのハードディスクと同じくらい価格となるオールフラッシュとなった。「これでNo more Hard Diskが進み、オールフラッシュ化が進展しました」と岩本氏は言う。性能要件がそれほど高くないデータベースやサーバー仮想化、さらにバックアップ目的でも//Cシリーズは採用されることとなる。

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Flash for allのための“最後のピース”

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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