SAPは、3月31日に終了した2023年度第1四半期の財務業績を発表した。
業績ハイライト
カレント・クラウド・バックログは25%増の111億5000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは25%増となり、連続で1パーセンテージポイント増の成長となったという。SAP S/4HANAのカレント・クラウド・バックログは、78%増の34億2000万ユーロ、固定通貨換算ベースで79%増だった。
第1四半期のクラウド売上は24%増の31億8000万ユーロ、固定通貨換算ベースで22%増、連続で1パーセンテージポイント増。SAP S/4HANAのクラウド売上は、77%増の7億1600万ユーロ、固定通貨換算ベースでは75%増となった。
また、クラウド総利益はIFRSベースで28%増の22億4000万ユーロ、Non-IFRSベースで28%増の22億7000万ユーロ、固定通貨換算のNon-IFRSベースでは27%増だったとしている。
営業利益は、IFRSベースでは45%減の8億300万ユーロ。この減少は主に、2022年度第1四半期は株価が下落したのに対し、2023年度第1四半期は株価が上昇したことを反映した株式報酬の増加によるものだとした。加えて、IFRSベースの営業利益は、対象を絞ったリストラクチャリングプログラムに関連する構造改革費用、および既存の規制遵守事項に対する引当金により生じた費用の影響を受けているという。
Non-IFRSベースの営業利益は、12%増(固定通貨換算ベースで12%増)の18億7000万ユーロだった。
ビジネスハイライト
第1四半期に、「RISE with SAP」を選択した顧客は、BMW Group、DOLCE & GABBANA、GAMA、GlasfaserPlus、マニトバ州政府、Henkel、関西ペイント、Lingong Heavy Machinery、MLS、NECネッツエスアイ、Pastificio Rana、Sempra Infrastructure、Sodexo BRS、Sri Intellectual、Thales Defense & Security、VEM Conveniência、Zagisなどだという。
また、Advanced Micro Devices、Air India、Aurobay、FLYING WHALES、Hengan Group、JFEスチール、Ourofino Agrociência、REPETCO Innovations、Shinsegae Internationalが、第1四半期にSAP S/4HANA Cloudの本稼働を開始したという。
SAPのソリューションポートフォリオを選択した顧客は、A.S.Watson、BayWa、Berlin Hyp、Brisanet、Dr. Martens、Envision Energy、Grupo Estrella Blanca、Grupo Minero Bacis、Haffner Energy、HCLTech、日立ハイテク、ニトリホールディングス、N+、NTT DATA Business Solutions、Lee Kum Kee Sauce Group、SMA Solar Technology、Soleum、University Hospital Bonn、Whirlpool Corporationなど。Dexco、DKSH、Larsen & Toubro、Wiproなどが、SAPソリューションの本稼働を開始したとしている。
第1四半期におけるSAPのクラウド売上の実績は、すべての地域において堅調であり、ブラジル、ドイツおよびインドにおいて売上の伸びが顕著だった。また中国、日本、メキシコ、オランダ、スイス、米国も特に好調だったという。
財務以外の見通し
SAPは、引き続き「顧客ロイヤルティ」「従業員のエンゲージメント」「二酸化炭素排出量」の3つの非財務指標に注力していく。2023年の継続事業について、同社は次のように予想している。
- 顧客ネット・プロモーター・スコアで8~122
- 従業員エンゲージメント指数で76~80%
- 二酸化炭素のネット排出量で0キロトン、自社の事業においてカーボンニュートラルを実現
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