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「組織横断のデータ活用」を阻む「7つの壁」と、その乗り越え方

【デタマネ対談 02】異なる組織、企業間のデータガバナンスを考える(後編)

 異なる組織間のデータ活用とガバナンスについて考える2人のデタマネ(データマネジメント担当)の対談の後編。データの受け渡しの際に直面する「7つの壁」と、その乗り越え方について、バンダイナムコネクサスの吉村武氏とZホールディングス兼Zデータの横井公平氏が語り合った。 企画協力:日本データマネジメントコンソーシアム(JDMC)

異なる組織間の「データ授受」を阻む「7つの壁」とは

バンダイナムコネクサス データ戦略部 データストラテジーオフィスのデータマネジャー 吉村武氏Zホールディングス株式会社 GCDO室 兼 Zデータ株式会社 経営企画部 横井公平氏
株式会社バンダイナムコネクサス データ戦略部 データストラテジーオフィス データマネジャー 吉村武氏
Zホールディングス株式会社 GCDO室 兼 Zデータ株式会社 経営企画部 横井公平氏

吉村氏:事業会社を横断してデータを活用する際には、「いかに各事業会社との間でスムーズにデータの受け渡しができるか」が重要です。ここは揉めることがとても多い領域ですが、なにか良い方法はありますか?

横井氏:今まで仕事をしてきた経験からいえるのは、各事業会社の中から「データ活用に対するモチベーションが高い人が見つかる」と進めやすい——ということですね。その人のモチベーションの源泉が、単に「売り上げを達成する」ことだけではなく、その先の「顧客にどんな価値を提供するか」までを考えたところにあるかどうかも、とても重要なポイントだと思っています。

 その人が顧客に対する新たな価値を見つけようとする中で、1つの組織や会社では実現できないところに、私たちのようなホールディングスの人間が入って並走しながら、データ施策を支援する。そこで信頼関係を築いて、データ授受の仕組み化に協力してもらう——というのが理想ですね。

 そうやって先に信頼関係を築いたほうが、間違いなくデータの受け渡しがスムーズになるので、初手としては「事業をスケールさせるためのデータ活用に対して強い思いを持っている人」を見つけることが大事だと思っています。

吉村氏:私もそう思います。じつはDMBOK(Data Management Body Of Knowledge:データマネジメント知識体系ガイド)にも「データスチュワードは、既にいる人を一本釣りしてこい」って書いてあるんですよね。

横井氏:とてもよくわかります。役職の有無に関わらず、強い思いを持った方がキーパーソンですね。

吉村氏:モチベーションが高い人が見つかったら、いよいよ事業会社間のデータの授受ですね。

横井氏:ここを実際にやろうとすると、実にさまざまな壁が立ちはだかるんです。私は「7つの壁」と言っていますが……。

吉村氏:7つの壁、初めて聞きました。

横井氏:私が言っているだけなんですけどね(笑)。「企画の壁」「契約の壁」「ユーザー同意の壁」「セキュリティの壁」「システム開発の壁」「データガバナンスの壁」「データフォーマットの壁」の7つです。

吉村氏:実に興味深いですね。この後は、この「7つの壁」を掘り下げていきましょう。

データ活用を阻む「7つの壁」

企画の壁

株式会社バンダイナムコネクサス データ戦略部 データストラテジーオフィス データマネジャー 吉村武氏

横井氏:最初にして最も重要なのが「企画の壁」です。

 これは、横断的なデータ活用をする際の「共通の目的」を考えよう、ということです。ホールディングスと事業会社双方にとって魅力がないと、以降の壁にぶつかったときにプロジェクトが止まってしまう場合があります。

吉村氏:よくわかります。「横断的なデータ活用」という手段が目的になってしまうと、本当に続かないですよね。

 横断的なデータの活用によって、どのような形で顧客の満足度を高められるのか、その結果、どんな利益が見込めるのか——といったところが「共通の目的」として言語化されていないと、その先のさまざまな壁を突破できない。

横井氏:まさにおっしゃる通りです。「グループ横断でお互いのデータを使い合っていきましょう」という話になって、事業会社側で「ちょっと使ってみたい」と興味を持ってもらっても、目的を共有できていないと、その先に待ち受ける難題をクリアできないんですよね。その結果、「やっぱり、いいや」と事業者側が諦めてしまうことが少なくありません。

 この問題を解決するために、事業会社側のデータ活用に向けたコンサルタントの役割を担う人をホールディングス側に置くのも効果的だと思います。コンサルタントが事業会社側にヒアリングを行い、データ活用の目的をクリアにするとともに、信頼関係を築いていく——という形です。

吉村氏:各事業会社がデータ活用のための企画を考えるところに、ホールディングス側が並走する——ということですね。

 じつはバンダイナムコネクサスでも、同じような取り組みをしています。データ活用に向けたプロジェクトマネジャーの役割を担うデータストラテジストを置いていて、事業会社側のデータ活用に並走しているんです。目的の設定から分析、成果につながる施策の立て方まで、成果を出すための一連の取り組みを支援しています。

 これはホールディングス側にとっても、「事業会社側のビジネスを学べる」というメリットがあります。こうして一緒に学びながらプロジェクトを進めていく中で、横断的なデータ授受の際のガバナンスやデータ基盤について、理解してもらうような形で進めていますね。

横井氏:企画の壁は、このような取り組みで乗り越えられそうですね。

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契約の壁

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この記事の著者

後藤 祥子(ゴトウ サチコ)

フリーランスの記者、編集者。前職のアイティメディアではITmedia エンタープライズの担当編集長としてメディア運営のほか、特集企画、記事執筆、タイアップ企画、セミナー企画、情シス コミュニティー「俺たちの情シス」の運営などを担当。現在は、実務者が知りたい情報を実務者の視点で提供するメディア「Darsana」の編集長としてイベント企画や取材を行うとともに、各種メディアでインタビュー企画や記事執筆を手がけている。信条は、変化の時代に正しい選択をするのに役立つ情...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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