NECは、2023年5月から国内NECグループ会社社員約8万人に展開している社内向け生成AIサービスについて、社内のセキュリティおよびコンタクトセンター業務に生成AIの活用を開始すると発表した。

NEC社内のサイバーディフェンスでは、検討段階を経て2023年4月末から生成AIの活用を開始し、攻撃診断・防御の両方の観点で使われているという。攻撃の診断では、診断結果をもとにした対策提示に生成AIを活用。また、生成AIで訓練用メールを作成し、社員への攻撃メール訓練を実施しているとのことだ。防御観点では、脅威インテリジェンスにおいて検知ルール実装処理に生成AIを活用し、作業工数を約80%削減したとしている。
コンタクトセンター業務においては、ユーザー対応のマニュアルやこれまでの応対履歴・FAQなどの資料や実績をもとに、回答データを生成AIで自動生成。これにより、NECの一部のコンタクトセンターにおけるFAQ作成作業工数を75%削減したという。さらに、実務環境に応じた技術検証を日本マイクロソフトと共同で実施。コンタクトセンターでは、生成AIが顧客との会話内容から自動で回答を導き、オペレータ業務をアシストする場面において、オペレータ回答時間を35%削減できる見込みだという。今後、自動応答の精度向上や、オペレータの報告業務における会話内容から自動で報告サマリを作成するなど、活用を広げていくとしている。
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