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事業急成長でデータ基盤に課題 REVISIOのキーパーソン3名に訊く「Snowflake」活用の道

データを重視するからこその選択

 REVISIOは人体認識技術による調査機器を用いたテレビ番組などの注視(視聴者の属性や質を図るための指標)データを取得・分析サービスを提供する企業。同社では事業成長にともないデータ基盤をSnowflakeに移行し、データ活用に関する課題を解消している。それらの成果に対してSnowflake主催の「DATA DRIVERS AWARDS 2023」において「Data Driver of the Year」を受賞した。そこで今回は受賞したばかりのREVISIOにおけるキーパーソン3名に取り組みの詳細について聞いた。

革新的なテレビ視聴調査が成長 裏側で挑んだデータ基盤の課題

 REVISIOは独自開発した調査機器を家庭に設置し、「誰がテレビの前にいて、どれくらい継続視聴(注視)しているのか」という新たな切り口から、AIを活用した人体認識技術によって人々のテレビの前での行動をモニタリング・分析するサービスを提供している。同社 代表取締役社長 郡谷康士 氏は、「日本人は平均で1日2.5時間テレビを視聴しています。これは人生の約10%に相当する時間です。我々はそのデータを取得・分析し、広告主や広告会社、テレビ局などの関連プレーヤーに提供することで、効果的なテレビCMや番組制作をサポートしています」と語る。

REVISIO 代表取締役社長 郡谷康士氏
REVISIO 代表取締役社長 郡谷康士氏

 これまでサービスの肝となる独自データを蓄積している基盤には、Amazon Redshiftを利用していたが、2022年12月にSnowflakeへ移行したという。データサイエンティストとしての経歴を持つ、REVISIO 執行役員の森下光之助氏は「大きく『速度・安定性・コスト』において課題を抱えており、ビジネスが拡大するにつれてデータ量はもちろん、管理が必要なサービスの種類も増加していくと計算速度が低下。データベースの状態が不安定になり、結果としてサービスを維持していくためのコストが増大するなど管理が困難になっていきました」と説明する。

 各種製品やソリューションが溢れている中、データ基盤の移行において同社が目を向けたのが「Snowflake」だ。REVISIOにおいて開発チームとデータプラットフォームチームのマネージャーを兼務するエンジニアリングマネージャー 片岡基氏は「まずはトライアルを重ねながら期待するだけのパフォーマンスが出るのか、要件を満たすことができるのかを評価していきました」と振り返る。

REVISIO エンジニアリングマネージャー 片岡基氏
REVISIO エンジニアリングマネージャー 片岡基氏

 もちろん、Snowflakeへの移行という決断を下すまでには、エンジニアチームでの長い調査だけでなく経営陣との議論もあった。

 「そもそも経営陣全体で『サービスの安定性』を大きな課題と認識していました。日々大量のデータを蓄積しており、そのデータをクライアントのニーズにあわせて処理する必要があります。事業拡大していくにつれて課題が大きくなり、サービス提供に影響を与えかねません。そうした背景の下で議論を交わしていく中、Snowflakeが課題解決に合致していると移行を決断しました」(郡谷氏)

次のページ
RedshiftからSnowflakeへの移行ツールを開発 OSSとして公開も

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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