営業を経てマーケティング領域へ──常に「データ活用」を意識
竹澤氏はKDDIで30年以上のキャリアを培ってきた人物。2000年代初頭、通信業界が大きく成長していた頃、同氏はコンシューマ営業本部にて営業職として従事しており「当時は、経験や勘、度胸などが重視されていた時代ですが、現場のメンバーは『データの重要性』に気づいていました。しかしながら、体系化された有効なデータが整備されておらず、私も最適なデータベースの存在を強く望んでいましたね」と振り返る。
2015年からコンシューマ事業本部 コンシューママーケティング本部 副本部長に就くと、カスタマーエクスペリエンス(CX)向上に着手。右肩上がりの成長が続いていた通信事業がいずれ頭打ちとなることを見据えた動きであり、来店を促すための積極的なアプローチが必要とされていた。auショップ直営店の改革などと同時に、ショップスタッフ向け接客支援ツール「auノート」を導入。これにより、顧客データに基づく打ち手を講じられるなど、まさに店舗におけるデータドリブンの初手だ。
「たとえば、来店頻度の減少や来店意欲の低下が見られた場合、売り上げだけでなくお客様との関係にも影響が及びます。顧客データを活用することで来店前のコミュニケーション強化を図り、店頭での接客もデータに基づいて変えていきました」(竹澤氏)