SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

Workdayが日本市場を独立へ、米国現地で共同プレジデントに狙いを訊く

「Workday Rising 2023」現地レポート

 Workdayが日本における事業展開を強化する。これまでAPJの一部だった日本を独立市場として切り離し、直接本社にレポートする体制をとることを発表したのだ。同社が2023年9月末、米サンフランシスコで開催した年次イベント「Workday Rising 2023」において、Workday Co-Presidentを務めるDoug Robinson(ダグ・ロビンソン)氏に話を聞いた。

創業18年を迎えた今も成長続ける、要因はレガシー移行

──ロビンソンさんは共同プレジデント(Co-President)を務めていらっしゃいます。まずは、現在の職務について教えてください。

 私はPeopleSoft、Oracleを経て2010年にWorkdayに入社して以来、一貫してセールス畑を歩んできました。現在は共同プレジデントとして市場戦略、ビジネスの成長、顧客の成功などにおいて責任を負っています。

 もう1人、共同プレジデントとして技術と製品のイノベーションを管掌しているSayan (Sayan Chakraborty氏)がいます。Sayanと私の共通項は、カスタマーサクセス=顧客の成功です。これを目標に素晴らしい関係を構築しています。

──WorkdayはクラウドHCM市場などにおける先駆者です。市場の変化をどのように見ていますか。

 私が入社してからの13年間で市場は大きく進化しました。設立当初は先行者利益があり、レガシーの競合2社を大きく引き離すことができましたね。

 もちろん、長い歳月を経て変化するもの・しないものがあります。市場によってはレガシーベンダーに分がある領域もあれば、我々が強みを発揮できるところもあります。実際に、今でも2社とは競合関係にありますね。Workdayは「HCM」と「Financial Management」を利用する顧客を“コア顧客”と分類しており、現在5,000社を数えます。いかにコア顧客を増やせるか、競合2社とは市場シェアを奪い合う状況が続いているのです。

 また、SaaS市場全体に着目したとき、CRMはSalesforceへとほぼ移行が完了しており、HCMは大部分でクラウド移行が進んでいて、Fortune 500の50%強がWorkdayの顧客という状況です。つまり、我々は残る50%弱を勝ち取らなければなりません。グローバルベースでは、Global 2000のシェアは25%程度と、まだまだ成長途中です。

 なお、Financial Management(ERP)は、グローバルの20~25%しかクラウドに移行していません。現在、Workdayのフォーカスはここにあり、成長計画において重要な部分を占めています。

──競合他社もSaaS戦略を進めていますね、Workdayの強みはどこにありますか。

 競合2社が提供するSaaSに対して、我々の勝率は満足できる結果と言えるでしょう。一方、レガシーシステムと呼ばれる程に市場での地位を確立した企業であり、手強い競争相手でもあります。

 Workdayは創業18年、売上高は70億ドル程度ですが、現在でも年間契約額の半分は新規顧客から来ています。これら新規顧客のうち多くは競合2社からのリプレイスです。創業から18年が経つと、新しい市場シェアを獲得するよりも既存顧客ベースの成長に軸足を移していく企業が多い中、未だにリプレイス需要に応えられている。これはとても珍しいことでしょう。

 これまではオンプレミスなのか、クラウドなのかが争点でしたが、現在はクラウドを前提とした競争環境下でWorkdayを選んでもらうというフェーズに移っています。こうした状況下においてもWorkdayには明確な強みがあります。

Workday Co-President Doug Robinson氏
Workday Co-President Doug Robinson氏

 Workdayは「1つのプラットフォーム」「1つのデータソース」「1つのバージョン」という設計思想の下でアーキテクチャを構築しており、たった1行のコードを実行するだけでWorkdayを利用する6500万人全員が革新的な最新機能を利用できるのです。

 その一例に「Skills Cloud」があります。機械学習を利用して従業員一人ひとりのスキルを識別することで社内にあるスキルを管理できるもので、企業が将来に向けて対処すべきスキルギャップを考えたり、従業員の定着、エンゲージ、育成などに役立てたりすることができます。競合他社には、すぐに構築できるサービスではありません。

次のページ
日本市場の切り離し、その狙いとは

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/18546 2023/10/12 09:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング