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SAPがバンガロールの開発者会議で公開、生成AI「Joule」の新たな展開

「SAP TechEd」レポート

 2023年11月、SAPはバンガロールで初の開発者向け「SAP TechEd」を開催。重点を置いたのは、アプリケーション開発、データマネジメント、AIの3つの分野で、特に生成AI「Joule」(ジュール)の展開が注目された。BTPの新機能を駆使し、開発者が迅速に革新的なアプリケーションを創出することを目指し、プラットフォームの顧客基盤を拡大している。

SAP Business Technology Platform(BTP)とは

ユルゲン・ミュラー氏(Chief Technology Officer, Member of the Executive Board, SAP SE)
ユルゲン・ミュラー氏(Chief Technology Officer, Member of the Executive Board, SAP SE)

 今回のTechEdの新発表の焦点は生成AIである。イベントに先立つ9月、SAPは生成AIアシスタント「Joule」を発表し、SAPの製品ポートフォリオ全体に組み込んでいくことを表明していた。初日の基調講演では、JouleがSAP Business Technology Platform(以降、BTP)にどのように実装するかが示された。SAP BTPとは、SAPが2021年1月に発表したプラットフォームで、「アプリケーション開発」から「オートメーション&インテグレーション」「データマネジメント」「アナリティクス」「AI」に至る、幅広い領域のソリューションを提供している。基調講演では、ユルゲン・ミュラー氏(Chief Technology Officer, Member of the Executive Board, SAP SE)がホストになり、すべての領域のアップデートを紹介した。

 中でも重要な発表は大きく3つある。第一に、アプリケーション開発領域での強化である。2023年11月時点におけるBTP利用企業は、全世界で22,000社以上、対前年度比で16%の顧客増となった。BTPを新規で導入する企業が増えることは、SAPプラットフォームを利用する開発者が増えることでもある。ビジネス変革を支援するアプリケーションを提供するSAPとしては、顧客が迅速に価値を得られるよう、プラットフォームを使うことになった開発者にできるだけ早く新しい環境に馴染んでもらいたい。そのために重要になるのが、オンボーディング体験の質を高めることだ。

 「私たちはオンボーディング体験を可能な限り迅速かつスムースに提供したいと考えている」とミュラー氏は語った。生成AIアシスタントのJouleはSAP製品全体に統合されているため、Jouleに対して最初は初歩的な質問をしていても、1人のAI開発者として一貫した開発者体験を維持できる。そして、スキルアップに従い、使う製品が変わってもこれまでの体験の連続性が失われることはない。

プロコードツール「SAP Build Code」の導入とそのメリット

 オンボーディング後の次のステップは、BTP環境でのアプリケーション開発に生成AIを活用することだ。米ラスベガスで行われた「SAP TechEd 2022」で、SAPはローコード開発ツールSAP Buildを発表した。SAP Buildは、オンプレミスでSAP ERPを利用している企業のクラウド移行を促すための「RISE with SAP」と、新規でクラウドERPを導入する企業を支援する「GROW with SAP」の2つのソリューションの一部として提供しているものになる。このBuildファミリーに、新しく加わったのが、プロコードツールのSAP Build Codeである。SAP Build Codeは、JavaとJavaScriptの開発に最適化されており、裏側にいるJouleがデータモデル、アプリケーションロジック、テストスクリプト作成のためのコード生成をサポートしてくれる。

マイ
ケル・アメリング氏(SVP, Head of Intelligent Enterprise and BTP Foundation, SAP)
マイケル・アメリング氏(SVP, Head of Intelligent Enterprise and BTP Foundation, SAP)

 SAP Build Codeについて、マイケル・アメリング氏(SVP, Head of Intelligent Enterprise and BTP Foundation, SAP)は、「今、私たちはSAP BTPにおけるプロフェッショナル開発者育成のためのアプリケーション開発ツールセットを拡張している」と説明した。企業が生成AIからビジネス価値を引き出そうとする取り組みの中で、市民開発者とプロ開発者の連携、すなわち「フュージョン開発」への挑戦は避けられない。SAP BuildとSAP Build Codeのシンプルかつ統一感のある開発者体験の提供を通して、開発者同士のコラボレーションを促すのがSAPの狙いである。SAP Build Codeは、2024年第1四半期の一般提供開始を予定している。

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SAP HANA Cloudがベクトルデータベース機能に対応

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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