矢崎総業と日本電気(以下、NEC)は、ワイヤーハーネス製造において、NECの「NEC デジタルロボット動作計画ソリューション」を用い、複数台ロボットの動作プランをAIで自動生成する実証実験を実施した。
今回検証したシステムは、NECが開発した「NEC デジタルロボット動作計画ソリューション」 と矢崎総業のワイヤーハーネス組立向けロボットシステムおよびシミュレータを組み合わせているという。具体的には、AIに製品デザインや作業内容など製品データを入力し、AIとシミュレータを連携。これにより、製造時間を短縮しつつ複数台ロボット同士や周囲の装置が干渉しないことを両立する動作プランを自動生成するという。動作後に干渉がある場合は、AIに通知して干渉を回避する動作プランを再計算。さらに、新製品投入時や製品の仕様変更時、製品データをAIに入力すると、短時間で動作プランを算出し、複雑なティーチング(産業用ロボットの動作プランを作成する作業)工程を不要にするとのこと。
同実証実験では、技術者が従来40日を要していたティーチングを不要化し、AIによって1日で動作プランを自動生成できることを確認したとしている。また、生産速度を高めるための動作プランをAIが試行錯誤し、製造工程にかかる時間の約10%短縮を実現したとのことだ。
この結果を受け、両社は2023年10月よりワイヤーハーネスの量産に向けて試験を実施し、2025年7月の実導入を目指すとしている。
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