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日立と養父市、マイナンバーカードを用いた市民向けサービス創出へ オンライン投票選挙の実現など目指す

 兵庫県養父市と日立製作所(以下、日立)は、中山間地域が抱える高齢化や過疎化などの課題を解決するため、マイナンバーカードを用いた市民向けサービスの創出を目指し、「マイナンバーカードデジタルパスポート化事業」の取り組みを開始する。

 同事業では、「パーソナルデータ連携基盤」を構築し、マイナンバーカードや養父市が独自で発行する「やっぷるカード(ID)」を活用した市民向けサービスの創出を推進。パーソナルデータ連携基盤は、LGWAN-ASPサービス内にある養父市の個人情報管理サーバーから、パーソナルデータのみを取り出し、サービス間で連携可能とするもので、市民が自身のパーソナルデータの提供先を設定できる同意管理機能なども提供するという。

 同基盤の構築にあたり、これまで日立が培ったスマートシティのアーキテクチャー検討やエリア・データ連携基盤の構築ノウハウを活用し、パーソナルデータ連携モジュールを用いる。これにより、将来的な地域間・企業間など様々な分野に跨るデータの接続を見据えた相互運用性の高い基盤を実現するとしている。

 今後、同基盤を活用し、養父市のサービス間での安心・安全なパーソナルデータの連携を可能にすることで、マイナンバーカードを用いたデジタルサービスの拡充を進め、市民の利便性向上を目指す。同基盤を用いたサービス拡充の最初の取り組みとして、以下2つの市民向けサービスを創出するという。

オンライン投票選挙

 マイナンバーカードの個人認証機能などを活用し、市民が自宅で本人確認の上スマートフォンなどからオンラインで期日前投票宣誓や期日前投票ができる仕組みを、日立がスパイラルとともに開発。これにより、時間や場所にとらわれないオンライン投票選挙の実現を目指す。オンライン投票選挙はまだ法整備の段階だが、実現できた暁には、市民の投票所までの移動時間削減や投票機会の拡大により、投票率の向上が見込まれるほか、選挙管理委員会の投票集計業務など事務作業の効率化といった効果も期待できるとしている。

避難所管理システム

 避難所名簿や避難所への入退管理をデジタル化し、災害時はタイムリーな情報連携を、平時においても地域イベントなどで利用可能な仕組みを目指す。具体的には、現地での混雑緩和のため、事前に市民がマイナンバーカードによる本人確認の上スマートフォンなどから事前登録情報の登録を行い、マイナンバーカードをかざすことで入退出処理を行う。同システムはテレネットのらくらく避難所くんをベースに提供するという。

 また、同システム上で避難所マップや避難所の混雑度などを公開することも可能なため、養父市は混雑状況に応じた市民の誘導を行う、市民は事前に登録した世帯情報から親族の避難情報を確認するなど、災害時における円滑な避難所利用を実現するとしている。

 養父市と日立は、今後もマイナンバーカードを活用した市民向けサービスの創出などを推進し、市民の利便性を高めていくとのこと。また、オンライン投票選挙においては、同システムを用いた模擬選挙を2024年2月を目途に実施予定で、養父市が運営するメタバース空間「バーチャルやぶ」上でのオンライン投票選挙も視野に入れ、検討を進めているという。

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