キンドリルは米国時間12月4日、マイクロソフトの協力のもと「Global Sustainability Barometer」の調査結果を発表した。
今回の調査では、85%の企業が持続可能性の目標達成を重視しているものの、サステナビリティを戦略とデータに取り入れているのは16%であることがわかったという。加えて、調査対象となった企業の80%が、目標を達成するうえでテクノロジーが重要だと感じているが、企業内でテクノロジーを最大限に活用していると考えているのは32%にとどまったとしている。
キンドリルは調査において、CEOと取締役会がサステナビリティとデジタルトランスフォーメーションを優先事項としているものの、目標を達成するにはプログラムの統合と実行に関する支援を必要としていることを指摘。また、企業の61%がAIを使用してエネルギー使用量を監視しているが、現在のデータを使用して将来のエネルギー消費量を予測している企業は、34%にとどまっているという。さらに、ステークホルダーの中で、サステナビリティの方針や実践の推進に最も積極的なのは顧客であり、その後に従業員、投資家、政府規制当局が続いたとしている。
持続可能な企業へと成長し、ビジネス成果を向上させるために、同社は以下のことに取り組むべきだと示している。
- サステナビリティをCEOおよび取締役会の優先事項として、財務およびテクノロジーと連携:企業の50%以上が、サステナビリティ機能におけるリーダーシップの役割をCEOと取締役会に任せているという。10年以上サステナビリティを実践している企業のうち、財務と完全に連携している企業はわずか24%であり、テクノロジーと完全に連携している企業は44%であった
- サステナビリティとテクノロジーのモダナイゼーションを連携:調査回答者のうち、52%が自動化によって効率を向上させており、持続可能な業務を構築している。一方で、48%がハイブリッドワーク戦略をサポートするために職場をデジタル化しており、47%が企業の環境フットプリントを削減するためにテクノロジーを使用していると回答した
- 統合されたデータ基盤を構築:従業員にリアルタイムのサステナビリティダッシュボードを提供できる機能を備えている企業は15%であった。同社はデータ管理を合理化して、情報に基づいた意思決定と戦略を実行する環境が必要だと指摘した
- AIを活用しサステナビリティを予測:リスク評価、エネルギー消費量の予測、自然災害などの潜在的なリスクの予測分析など、レポート作成のみにとどめることなくAIの使用を拡大する
- 従業員に権限を与える:今回の調査では、48%が専任のリソースが不足しているか、社内の専門知識が限られていることが判明しており、さらなる人材育成の必要性が示されている
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