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『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

特集:年末特別インタビュー

【特集】2023年の最前線を走り抜いたITベンダー&コンサルに訊く──今年の動向と2024年の展望

2023年末特別インタビュー:ITベンダー&コンサルティングファーム編

 新型コロナウイルス感染症が“5類感染症”に移行されたことで、「アフターコロナ」に向けた働き方や企業として進むべき道が模索された2023年。一方で、「生成AI」の爆発的な広がりにより、企業ITにも大きな変化が訪れた1年と言っていいでしょう。また、これまで取り組んできたDXやデータドリブン、セキュリティなどにおいても成果がみられた年でした。では、変革を推し進める企業を支えるITベンダーとコンサルティングファームは、この1年間をどう振り返るのか。そして、2024年をどのように見据えているのかを注目の13社に訊きました。

以下、13社の企業および企業代表者にコメントをいただきました。
アクセンチュア/SAPジャパン/NTTデータグループ/キンドリルジャパン/グーグル・クラウド・ジャパン/Snowflake/タニウム/データブリックス・ジャパン/デロイト トーマツ コンサルティング/日本オラクル/PwCコンサルティング/マクニカ/ラック(五十音順)

地方拠点の拡充に注力した1年
(アクセンチュア)

2023年を振り返って

 2023年は、お客様企業・団体の全社変革に向けて、デジタル技術を最大限に活用したサービスをさらに強化させたことで、10年連続で2桁の成長を達成した年となりました。また、お客様の売上や収益などの財務的指標を向上させるサービスに加えて、顧客体験、従業員価値、インクルージョン&ダイバーシティ、サステナビリティの向上など、360°で企業価値を高めるサービスの拡大にも注力しました。

 また、地方拠点の拡充にも注力した1年でした。2023年5月から7月にかけて、地域ならではの特色や強みを持つ企業、自治体、教育機関や人材との接点となり、デジタルを活用した新たなイノベーションを生み出す新たな拠点として前橋、名古屋、仙台に「アクセンチュア・アドバンスト・テクノロジー・センター(ATC)」を設立しました。4月にはアクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター福岡がある拠点にATC福岡も開設するなど、国内拠点を中心としたサービス提供体制の強化や、自動化を前提とした次世代業務プロセスの構築にも取り組みました。

2024年の展望

 2024年は、あらゆる業界における労働時間の約4割に大きな影響を及ぼすとされる生成AI技術のさらなる活用を進めます。既に当社の日本法人では、社内でセキュアに使える「Accenture Chat」を開発し、すべての社員が利用できる環境を整えています。

 AIで出せる価値しか提供できないコンサルタントは早晩淘汰されてしまうでしょう。 AIの答えを待つのではなく、AIを「バディ」として、自らの能力を拡張させる存在にすることが肝要です。デジタルがさらに浸透することによって到来するデータ駆動型社会においては、データを経営から現場の最前線にまでシームレスにつなぐことが欠かせません。

 アクセンチュアでは、絵空事のコンサルティングではなく、伴走型でお客様の成果にコミットしてまいります。

中堅中小企業に焦点を当て、クラウドERP導入を加速
(SAPジャパン)

2023年を振り返って

 2023年、お客様の成功と変革を支援する年として、SAPジャパンとしての使命を果たしてきました。まず、中堅中小企業に焦点を当てた新たな取り組みを進め、その結果、クラウドERPソリューションの導入において顕著な成果を上げました。特に、「GROW with SAP」の立ち上げや「RISE with SAP」の進展により、クラウドERP導入が加速しました。これらの成果は、私たちの「Fit to Standard」や「クリーンコア」といった戦略がお客様に受け入れられたことが大きな要因です。

 AI分野でも重要な進展がありました。SAP Business AIを中心としたAIエコシステムの拡大や、新たなAIアシスタント「Joule」、生成AI開発者向け機能「SAP Build Code」の発表など、技術的なイノベーションを推進しました。

 私たちは、SAPのテクノロジーを活用して、日本の企業が抜本的に効率を上げ、革新的になることを支援しています。これにより、生産労働人口減少という社会課題への対応や生産性の劇的な向上に引き続き貢献していきたいと考えています。

SAP ジャパン
代表取締役社⻑
鈴木 洋史氏

1990年4月に日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。2000年8月にi2テクノロジーズ・ジャパン株式会社へ入社、2006年7月にJDAソフトウェア・ジャパン株式会社へ入社し、営業本部長を経て2010年2月より同社代表取締役社長に就任。2012年5月からはJDA Software Inc.のアジアパシフィック地域副社長を務め、日本を含むアジアパシフィック地域を統括。2013年4月に日本アイ・ビー・エム株式会社へ入社、理事・スマーター・コマース事業担当。2015年1月にSAPジャパン株式会社へバイスプレジデント・コンシューマー産業統括本部長として入社、2018年1月より常務執行役員インダストリー事業担当。2020年4月1日から現職。

2024年の展望

 2024年は、真の意味でAI元年になると考えています。

 経営に役立つAIの技術をデータも含めて提供できるようになるのがまさにこの1年だと考えています。SAPジャパンとしても、2023年に発表した製品のローカライズと施策の具体化に注力し、実際の経営においてAIの分析した結果が使えるようにするための基盤固めを加速します。そして、引き続きSAPクラウドソリューションによって、お客様のインテリジェントエンタープライズ化を支援していきます。

 また、社会課題への取り組みと持続可能な企業変革の支援にも注力します。日本の生産労働人口減少などの課題に対応し、クラウドを活用しながらAIとの“協業”による効率化策を推進することで日本企業の競争力強化につながると考えています。さらに、サステナビリティを重視し、企業間取引の効率化や環境問題への取り組みを強化します。

 最後に、我々のお客様が成功するためには、SAPジャパン自身も一人ひとりの生産性を上げる必要があると受け止めています。そのため、社内でもAIをはじめとする最新技術を取り入れ、実践し、お客様の先例となれるよう、取り組んでいきます。

機動性のある経営に向けグローバル経営体制をスタート
(NTTデータグループ)

2023年を振り返って

 2023年は、NTTデータグループにとって大きな変化の年でした。7月には、持株会社体制に移行し、NTTデータの持株会社(株式会社NTTデータグループ)、国内事業会社(株式会社NTTデータ)、海外事業会社(NTT DATA, Inc.)の3社からなるグローバル経営体制がスタートしました。

 本体制への移行は、事業規模の拡大にともない、変化のスピードが速いデジタル時代にふさわしい機動性のある経営を推進するために行ったものです。これにより、国内・海外各地域のニーズ、商習慣、法規制などを踏まえて、お客様やビジネスの現場に近いところで、スピーディーに様々な意思決定ができる体制となりました。また、持株会社においては、グループの全体最適を図るため、グローバル戦略の策定、グローバルシナジーの創出、グローバルガバナンスを強化しています。

NTTデータグループ
代表取締役社長兼CEO
本間 洋氏

1980年 日本電信電話公社(現 日本電信電話株式会社)入社。1988年より、エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社(現 株式会社NTTデータグループ)。金融分野での企画・開発・スタッフを経て、金融分野・コーポレート部門・法人分野の組織長を歴任。2016年 代表取締役副社長執行役員。強み・価値にこだわった経営を推進し、法人・ソリューション分野のビジネス拡大に大きく貢献。2018年 代表取締役社長。2023年7月より現職。

2024年の展望

 2024年は、中期経営計画を着実に進めながら、日本・海外含めたグローバルにおいて、コンサルティングからアプリケーション、データセンターやネットワークに至る広範なソリューションをフルスタックで提供することにより、さらなるビジネスの拡大を目指します。持株会社、国内事業会社、海外事業会社の3社それぞれが強みを磨き、グローバルレベルのベストプラクティスを数多く作り出すとともに強連携していくことで競争優位性を高め、お客様や社会全体に向けた提供価値を最大化していきます。

 これらを実現するために、持株会社では、グローバル戦略の策定、グローバルシナジーの創出、グローバルガバナンスを引き続き強化していきます。特に、技術の領域はグローバル共通言語であり、グループ全体で足並みを揃えて戦略的に取り組んでいきます。国内では、社内ベンチャー制度の復活や人事制度改革、社内外のパーセプションチェンジを目指した取り組みなどの変革のアクションを推進し、海外においては2024年度から新たなオペレーティングモデルに移行します。リージョナルユニットとグローバルユニットの両機能が始動し、海外事業の構造転換を進めていきます。

ITインフラを「未来の社会基盤」と捉え、より大胆な決断を
(キンドリルジャパン)

2023年を振り返って

 高品質なサービスで安心・安全・安定にお客様のシステムを稼働させることをご支援するとともに、キンドリルジャパン・グループとして新しい価値を作っていくという「進化」に取り組んだ1年でした。

 ミッションクリティカルなシステムを長年にわたり支えてきたキンドリルは、豊富な実績によるスキルや知見と、国内に加えてグローバルでの経験を活用し、お客様を支援しています。データセンターやメインフレームのモダナイゼーションを進めるにあたり、今後数年間で1億ドルを投資することを発表し、日本のお客様や日本社会への貢献を明確にしました。

 キンドリルでは「人」を価値の中心と考え、The Kyndryl Wayと称したカルチャーの醸成やID&Eの推進に向けて意欲的に活動しました。また、グローバルで9万人規模の社員が利用する基幹システムをシンプルで標準化されたシステムに刷新し、ここで得た知見をお客様のご支援に役立てていきます。

キンドリルジャパン
代表取締役社長
上坂 貴志氏

キンドリルのビジネス開始から日本のプレジデントとしてリーダーシップを発揮。安心・安全・安定が求められる金融サービス事業向けシステムのプロジェクトマネジメントの豊富な経験に加えて、中国・上海のグローバル・デリバリー・センターでの駐在経験やIBMで培ったグローバルなビジネススキルを持つ。1994年4月日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。一般社団法人プロジェクトマネジメント学会 副会長。

2024年の展望

 日本社会が成長し続けるためには、意欲的に大胆な決断を行い、日本の未来を作っていくべきと考えます。大胆な決断とは、決してこれまで検討もしていなかったことを決めることではなく、いつかやるべきだと既に検討していることを実行に移すことだと考えています。加速するDXの根幹はITインフラであり、サステナブルな成長を目指す鍵です。2024年は今こそもっと大胆に踏み込んで、ITインフラを未来の社会基盤と捉えた変革をご支援し、お客様そして日本の未来に価値を届けられるよう、決断と実行力で前進していきます。

 システム運用は共創が重要ですが、その一員としてリーダーシップを発揮し、自動化・高度化と活気ある魅力的な環境になるよう努めます。また、Kyndryl Bridge、Kyndryl Consult、Kyndryl Vitalの強化、アライアンス戦略の拡充、社会貢献にも注力し、キンドリルが掲げる「社会成長の生命線」を目指します。

マルチモーダルなAIモデルで生成AI活用を促進
(グーグル・クラウド・ジャパン)

2023年を振り返って

 2023年は世界中で生成AIブームが巻き起こりました。Googleも5月に新たな大規模言語モデルの「PaLM 2」を、そして12月にはこれまでで最大かつ、最も高性能、かつフレキシブルなAIモデルの「Gemini」を発表しました。これにより、マルチモーダルと呼ばれる言語や画像、音声などと複数のデータ種別を同時に取り扱う事が可能になります。

 2023年は、生成AIを「触ってみた」方が多くいる一方で、課題が見つかった年だったかと思います。たとえば、生成AI活用によって増加する非構造化データの効率的な活用方法や、間違った情報が生成されるハルシネーションを防ぐ方法についてもっと知りたいというお声を沢山頂いています。

 Google Cloudは、お客様がこれらの課題を解決しながら生成AIを活用したアプリケーションを開発できるよう、長年検索で培った技術と経験をもとに様々な製品、ツールを提供し、パートナー様と共にお客様を支援してきました。

グーグル・クラウド・ジャパン
日本代表
平手 智行氏

1961年生まれ。87年、日本IBMにて、アジア太平洋地区経営企画、米IBM戦略部門を経て、2006年、日本IBM執行役員と米IBMバイスプレジデントに就任。国内では通信、メディア、流通、公益などの業種別事業やサービス事業を担当。11年末に退職し、米ベライゾンのエリアバイスプレジデント、ベライゾンジャパン社長に転身。15年7月、米デル バイスプレジデント兼デル代表取締役社長に就任。19年8月、デルとEMCジャパンの代表取締役会長に。同11月から現職。

2024年の展望

 2023年にGoogle Cloudが発表した様々な製品やツールを、お客様が実際に活用してアプリケーション開発し、自社のビジネス変革につなげていくことを支援します。たとえば、ハルシネーションを避ける対策として、お客様が指定する、信頼できる情報ソースから回答を参照する「グラウンディング」という技術を推進していきます。

 また、生成AIを活用していくために、様々なアプリケーションや環境からのデータがすべてクラウド上にある、クラウドネイティブ環境の構築や、構造化データと非構造化データを組み合わせて分析できる、BigQueryを活用した「AIレイクハウス」の重要性が注目されると考えています。昨年公開した、AIが様々なアシスタントを行う「Duet AI」が今後Google Cloudのすべての製品に順次導入されるため、AIの民主化は劇的に加速するでしょう。

 Google Cloudは、2024年も大胆かつ責任あるAIの基本理念を守りながら、生成AI推進に向けて、引き続き新たな技術、製品を提供してまいります。

次のページ
AI時代、高まるデータ戦略のカギは「データクラウド」 (Snowflake)

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。

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