TOPPANデジタルとAcompanyは、5月22日、デジタル証明書と秘密計算を用いて、自分のID、個人情報を自分自身でコントロールできる分散型アイデンティティと、情報漏洩リスクの極小化を両立させる技術を開発したと発表した。
同技術は、「SD-JWT」と「BBS署名」の2つの手法を実装。デジタル証明書を用いることで、必要な情報だけを選択的に開示しつつ、改ざんがされていないデジタル証明書として活用することが可能になるという。
また、プライバシー強化技術の1つである秘密計算を用いることで、秘密鍵を複数に分割したままデジタル署名を生成し安全性を高められるとのことだ。秘密鍵が生成された後で複数に分割する場合は、生成された秘密鍵が盗難されるリスクがあるが、秘密分散法により分割した状態の秘密鍵が生成されるため、一度も完全な秘密鍵が存在することなく安全な運用が可能だとしている。
同技術は、「Trusted Web」に取り組む企業を対象として、2025年を目途に試験提供開始を目指すという。今後は、他の選択的情報開示手法の実装も視野に入れながら、システムの拡張を進め、個人がデータコントロール権を持ちつつ、企業側もプライバシーに配慮してデータ利活用が行える社会実現に向け、実装を進める。
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