IBMは、AWSの環境構築から運用監視、セキュリティまで総合的なサービスを提供する日本のクラウドインテグレーター企業であるスカイアーチネットワークスを買収する最終契約を締結した。
同買収により、IBM Consultingは、日本におけるパブリッククラウド・サービス市場において、AWS アドバンストティアサービスパートナーであるスカイアーチネットワークスが有する専門知識と実績、IBM Consultingがこれまで手がけてきたハイブリッドクラウド向けアプリケーション管理サービスを組み合わせることで、マルチクラウド・ハイブリッドクラウドの包括的なクラウドサービスプロバイダーとして、クラウドの特性をフル活用した次世代のエンタープライズ・システムを支えるとしている。
IBMは、2020年4月にアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)氏がCEOに就任して以降、40社以上を買収しており、うち16社はIBM Consultingに関するもの。今回のスカイアーチネットワークスの買収は、IBMにとって日本で初の買収事例であり、IBMの日本市場におけるAWS事業拡大への注力を示すものだという。
スカイアーチネットワークスは2001年にサーバー管理ビジネスを立ち上げ、近年はAWSに特化した「クラウド構築・運用代行サービス」で実績を伸ばしているという。AWS マネージドサービスプロバイダー(MSP)プログラム、AWSレベル1 MSSPコンピテンシーパートナーなど13のAWSに関する認定と、多くのAWS認定資格者を有するとしている。運用管理・保守の一部を担う「AWS環境構築」、自動化などにより開発者の生産性を高める「AWS運用監視」や「AWS内製化支援」を専門とするスキルを備えた約160名の社員が在籍し、ソフトウェア、メディア・エンターテインメント、流通、金融サービスといった領域の顧客にサービスを提供しているという。
今回の買収により、スカイアーチネットワークスが強みとする「AWSサービスの再販」から、「AWS環境構築」や「AWS運用監視」と、IBM Consultingが手掛けるアプリケーション開発やモダナイゼーション、運用保守から構成される「アプリケーション・マネージド・サービス」を統合することで、IBM Consultingは、次世代のエンタープライズ・システムに必要なサービスを包括的に提供することが可能になると述べている。
今後、スカイアーチネットワークスはIBM ConsultingにおけるAWS専門組織の一員として、基幹システムのモダナイゼーションの推進、AWS環境でのSaaSの活用(SAP on AWSなど)を通じて、日本でのAWS プレミアティアパートナー認定の獲得に加え、オートメーションと生成AI活用による次世代型マネージド・サービスを提供していくとしている。
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