情報処理推進機構(以下、IPA)は、「デジタル時代のスキル変革などに関する調査(2023年度)全体報告書」を公開した。なお、同調査はデジタル人材の動向調査として2018年度から進めている調査・研究の2023年度版となる。
調査概要
企業調査
- 調査対象:事業会社の人事部門、情報システム部門、DX推進部門など
- 調査期間:2024年2月9日~5月2日
- 回収数:事業会社1,013件
個人調査
- 調査対象:20~59歳の企業に所属するデジタル人材、特定の企業に属さないデジタル人材(フリーランス)
- 調査期間:2024年2月7日~3月16日
- 回収数:企業に所属するデジタル人材1,210名、特定の企業に属さないデジタル人材391名
自律的な学びが習慣化・継続している人は33%
自身の学びに対する状態を聞いたところ、自律的な学びが習慣化されている人と継続している人は全体の約33%で、特に学びの成果を実践しやすい先端IT従事者では39%であった。さらに、自律的な学びが習慣化・継続できている人は、人材市場における自身の相対的な位置について「十分に競争力がある」「相対的な位置を把握している、しようとしている」と回答する割合が高いことがわかった。
自律的な学びができている人は、エンゲージメントが高い
自身が働きたいと思う企業に重要視することについて聞いたところ、自律的な学びができている人はできていない人に比べて総じてエンゲージメントが高く、企業との間で選び・選ばれる関係構築ができていることがうかがえる。特に、企業の文化や価値観に関すること、心理的安全性に関すること、学びと実務実践の場や支援に関することなどの項目で満足とする回答が多い傾向にあった。
「自律的な学び」に取り組む企業が実施する10施策
自律的に行動できる人材に選ばれることが企業の持続可能性を左右することから、IPAでは「事例企業における自律的な学び促進の取り組み」において、各社が実施する促進施策を抽出、10の施策に普遍化した。
さらにIPAは、各社が重要視している企業風土・文化などを含めて考察し、「自律的な学び」を促進するためのドライバーとして、自律的な学びを促進する企業風土・文化、自律的な学びの促進要素、自律的な学びの社内への拡大、自律的な学びの社外への広がりの4つを、促進するためのドライバーとして抽出した。
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