アクセンチュアは2024年7月18日、調査レポート「次世代への一歩:サプライチェーンの変革(Next stop, next-gen)」を発表した。
同レポートでは、日本を含む15ヵ国、10業界の1,148社におけるサプライチェーンの成熟度を分析したという。サプライチェーンの成熟度とは、企業が生成AIや高度な機械学習といった先進テクノロジーをサプライチェーン全体で活用し、自律的な意思決定や高度なシミュレーション、継続的な改善につなげているかの度合いを数値化したもの。
調査結果
サプライチェーン成熟度上位10%の企業(以下、リーダー企業)は2019年~2023年の間、他社と比べ利益率(リーダー企業11.8%に対し、その他企業9.6%)は23%、株主還元率(リーダー企業8.5%に対し、その他企業7.4%)は15%、それぞれ高くなっている。
サプライチェーン全体で生成AIを含むAIを実装している企業は全体の9%(日本は15%)だが、リーダー企業では37%が活用している(リーダー企業以外のグローバル平均は6%)。
また、リーダー企業はAIに多くの効果を期待しているという。「新製品の開発と発売にかかる時間を30%短縮できるだろう」と回答したリーダー企業は、その他の企業の8倍、「より環境に優しい製品を開発できるだろう」と回答したリーダー企業は、その他の企業の8.5倍、「製造に関わる資源の効率を30%向上できるだろう」と回答したリーダー企業は、その他の企業の6倍だった。
一方で、全体としてサプライチェーンの成熟度は依然として低いとし、2019年から2023年で平均スコアが50%以上上昇したにもかかわらず、平均値は36%にとどまっていると述べている。また、メキシコ(22%)から日本(52%)、消費財企業(31%)から航空宇宙・防衛企業(40%)といった具合に、国や業界によって差が見られるとしている。
調査概要
- 調査期間:2023年10月
- 調査人数:1,148社、3,000人以上
- 対象国 :日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、韓国、スペイン、スウェーデン、英国、米国
- 対象産業:航空宇宙および防衛、自動車、化学、消費財およびサービス、ハイテク、産業機器、ライフサイエンス、金属および鉱業、石油およびガスおよび公益事業
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