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ナレッジワーカーの8割が「業務にAIを導入希望」も、導入は2割にとどまる──Dropbox調査

 Dropbox Japanは、「ナレッジワーカーのAI利活用に関する実態調査」の結果を発表した。

 同調査は、電通マクロミルインサイトに依頼し、日本国内の20歳から59歳の男女1,200名のナレッジワーカーを対象に2024年3月に実施したものである。なお、同調査におけるナレッジワーカーとは、デジタルツールを使った仕事を主に行う専門家、研究者、教育者、アナリスト、ITスタッフなどを指す。

AIを業務で取り入れたいナレッジワーカーは8割

 ナレッジワーカーの業務におけるAI活用について、「AIを業務で取り入れたい」と回答した人は83.4%に上った。

 一方、AIを業務で利用したことがあるナレッジワーカーは21.6%にとどまり、期待とは裏腹に、業務でAIを利用できていない現状がわかった。

AIの業務利用を期待する理由は、労働生産性の向上

 AIの業務利用を期待する理由として最も多く挙げられたのは、「労働生産性が上がると思うから」(83.5%)であった。「業務量の改善が期待できるから」(81.7%)が次に最も回答を集め、働き方改善への期待が大きいことがわかる。また、仕事における「モチベーション向上」(67.0%)や「成長機会の獲得」(65.0%)も多くの回答を集め、自身の仕事でのパフォーマンス向上への期待も見られた。

 特にAIの業務利用に期待する声が強かったのは中間管理職で、その割合は平均よりも5ポイント高い88.9%となった。その理由として、「労働生産性の向上」が最も多く、他の役職(経営者、一般社員)よりも顕著に挙げられていたのは、「現行のオペレーションを変えたいから」(中間管理職25.4%、平均17.7%)、「稼働している時間を気にせず依頼できるから」(中間管理職23.4%、平均16.3%)であった。中間管理職はAIを用いることで、業務時間や業務負荷を気にせず得られる業務支援と、それによる労働生産性の向上に期待していることがわかった。

業務量に圧倒される中間管理職、AI利用で時間を割くことを求める

 中間管理職の間でAIへの期待値が高い理由として、業務状況が大きく関係している傾向が見られた。中間管理職がAIに任せたい仕事として最も挙げたのは、入力などの「単純作業」で、同項目の全役職と比較しても最も大きい割合であった。また、自身の業務に取り入れられそうなAI活用シーンとして、会議の議事録のまとめなど会議関連の仕事と回答した中間管理職は平均よりも10ポイント以上高く、全役職の中で最も高い数値となっている。

 AIの導入により削減できる時間で、中間管理職が行いたい業務として最も多かったのは「マネジメント業務」であった。次いで「経営方針・戦略などの検討・立案」「クリエイティブ業務」と続いており、中間管理職が本来の仕事に十分時間が割けていない現状が明らかになった。

 中間管理職が本来の仕事を十分にできていないことから、「付加価値が与えられない業務に追われている」「戦略立案やマネジメントなどの検討にもっと時間を使いたいが、目下の連絡や作業に追われている」といった現状があると同社は述べている。

AIの業務への導入が進まない原因

 AIの業務への導入が進まない原因として、次の点が挙げられる。

  • 原因①環境整備が整っていない:実際にAI導入には至っていない理由として最も多かったのは、「勤め先で推奨していない、ルールが決まっていないから」であった。勤め先で推奨されていないツールを使用することは非常に難しく、業務利用のボトルネックになっていることがわかった
  • 原因②経営者層を中心としたAIへの理解不足からくる導入効果の過小評価:業務環境やルールを決めるような役職の間で、AIの導入効果を過小評価する傾向が見られた。経営者層のAIの業務導入意向は78%で、平均と比べると5ポイント低い結果となった。AIを業務利用したいと思わない最大の理由として、管理職(経営者層と中間管理職)は「AIに関する情報が不十分だから」(管理職36.1%、平均32.2%)を挙げている。また管理職の間では、「セキュリティへの不安」(19.4%)や「資金不足」(16.7%)などの理由も多くの回答を集めた。AIに関連する知識が少ないために、リスクやコストに意識が向かい、AIがもたらす効果を過小評価している可能性がある

 また、AIの業務導入への期待には、経営者層とそれ以外の役職(中間管理職と一般社員)との間に9ポイントの差があり、特にAIを業務で利用するシーンにおいて、魅力的だと感じる点に乖離が見られた。「データ発見などの情報検索に取り入れられそう」と答えた人は平均で48%、中間管理職で50%、経営者層は41%であった。

 経営者層は特に利用するITツール数が少なく、コラボレーションにおけるストレスや不満を感じにくいことも明らかになった。チャットやメール、ファイル共有サービスなど、他の人と協業するツールをまったく利用しない人は、経営者層で35%と全役職の中で最も高く、中間管理職の13%と2倍以上のポイント差がある。

  • 原因③経営者層のDX化の遅れとAI導入への消極性の影響:情報管理のツールについて聞いたところ、経営者層が他の役職と比べて多かった回答が「紙に印刷したデータや手書きメモ、付せんなど」(経営者43.1%、平均30%)や「USBやSDカード、CD-Rなどの記録媒体」(経営者43.1%、平均16%)であった。平均の数字より大きなギャップがあり、経営者層の業務におけるDX化が進んでいないことが浮き彫りになった

 AI機能を活用するためには、まずは業務のDX化が必要であり、特に経営者層のDX化支援がAI導入において重要であると同社は述べている。

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