日立製作所(以下、日立)は2024年7月22日、「生成AI活用プロフェッショナルサービス powered by Lumada」を提供開始すると発表した。同サービスは、生成AIの導入から活用、人財育成までを支援するものだという。
同サービスでは、「従業員の利用率向上」「生成AIの回答精度向上」「生成AI人財の育成」などのナレッジを活用。今後はGenerative AIセンターが中心となり、データサイエンティストやAI研究者などに加え、生成AIに精通するエンジニアやコンサルタント、OTの知見を有するドメインエキスパートなどの専門家を集め、数百人規模の体制で提供していくとのことだ。
同サービスの詳細な特徴は以下のとおり。
顧客の課題を踏まえ、生成AIの導入を支援
生成AIの導入を検討する顧客に対し、「DX推進支援サービス」を通じて生成AIのユースケースや効果を引き出すための包括的なサポートを提供するとしている。具体的には、日立コンサルティングと連携しながら顧客の業務課題をヒアリングし、効果や難易度などを踏まえてユースケースの選定・具体化を支援するという。また、「ユースケース実現性検証サービス」によるプロトタイプの簡易開発を通じて、ユースケースの実現性を検証。これにより、現場に組み込んだ時の効果試算をより精緻に把握し、生成AIの導入戦略を立案できるとのことだ。加えて、「生成AIアプリ開発支援サービス」を通じて関連システムとの連携やシステム仕様の設計検討など、生成AIを業務に組み込んだアプリケーションの開発・テストを支援するという。
なお、生成AI導入効果の検証にあたっては、Lumada Solution Hubのサービスメニューである「生成AIトライアル環境提供サービス」を利用するとのこと。
実業務に耐えうるエンタープライズレベルのRAG構築をテクニカルサポート
生成AIの実業務での利用や本番運用を想定したテクニカルサポートを包括的に提供するとしている。具体的には、「RAGアセスメントサービス」により言語モデルの評価検証を行い適した言語モデルを提案するとともに、「RAGチューニング支援サービス」を通じて顧客のユースケースにあわせたRAGをチューニングし、AIの精度向上を支援するという。また、「データ読み取り支援サービス」では、図表を含む文書を生成AIが読み取れるようにテキスト化する処理が可能になるとのことだ。
生成AIのプロフェッショナル人財の育成支援
生成AIの業務適用の内製化を検討する顧客向けに、生成AIのスキルを備えたエンジニアの育成をサポートする「人財育成支援サービス」を提供するとしている。具体的には、研修やOJTを通じて、プロンプトエンジニアリングやRAG構築のスキルを習得できる育成プログラムを提供するという。
今後は、「Platform of Platforms」のプラットフォーム・アーキテクチャーに基づいた日立の生成AI共通基盤を活用し、ITだけでなくOTのナレッジや現場ノウハウも取り込んでいくことで、生成AIをフロントラインワーカーの業務の改善、技術・知識伝承などへ生かし、少子高齢化・労働人口減少により社会課題となる現場の人手不足の課題解決にも貢献するとしている。
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