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DXが失敗に終わる5つの障壁と、それを回避するためのフレームワーク 企業が成長する真のDX構築法とは

デビッド・ロジャース氏が語る、ボトムアップ型組織で全社員が取り組めるアジャイルな改革のあり方

 業務効率化や工数削減などにとどまらず、企業の長期的な成長を目指す「攻めのDX」に取り組む企業が増加している。しかし、内部の体制から変革していく必要があるDXは、推進しようにもそう簡単にはいかず、道に迷っている企業も多いのではないだろうか。そんな悩みを持つ方に向け、『THE DIGITAL TRANSFORMATION ROADMAP(デジタル・トランスフォーメーション・ロードマップ):絶え間なく変化する世界で成功するための新しいアプローチ』(デビッド・ロジャース著、NTTデータ・コンサルティング・イニシアティブ 訳/東洋経済新報社)では、DX成功のための5つのロードマップを提示している。

変化し続けるデジタル世界に適応するDXの本質

 本書は、世界的ベストセラーとなった『The Digital Transformation Playbook』(邦題:『DX戦略立案書』)の続編にあたる書籍である。著者のデビッド・ロジャース氏は、ニューヨークやシリコンバレーでの授業、オンライン授業などを通して、累計25,000人以上のビジネスリーダーに対しビジネス変革について指導してきた。その中で得た知識や経験などをもとに、前著から進化した、現代のDXにおける新たな指南書を提示している。

 守りのDXの波が過ぎ、攻めのDXがビジネス界を駆け抜ける昨今、「そもそもDXとは」と頭を抱える経営者も多いのではないだろうか。ITソリューション導入による業務効率化やコスト削減だけでなく、自社の外を見つめ競争力を強化するためのIT活用を達成するためには、今まで以上にデジタル人材の確保や技術の習得、コストの増大などといった課題が迫っているように思える。

 しかし、本書の著者であるロジャース氏は、DXの本質はそこではないと述べる。同氏は、本書内でDXを「絶え間なく変化するデジタル世界で成功するために、既存事業を変革すること」と定義づけ、そのうえで押さえるべきポイントを3つ挙げた。

  • DXはビジネスに関することであり、技術に関するものではない
  • DXとは既存の組織を変えることであり、スタートアップ企業を作ることではない
  • DXは継続的なプロセスであり、開始日と終了日のあるプロジェクトではない

 DXで取り組むべきことを考える際、導入したい技術の観点から定義するのではなく、事業内容や従業員、顧客を中心にして考えていく必要があるとロジャース氏は述べる。組織の変化を恐れることなく、流れの早いデジタル革命に適応し続けることで、DX成功の道は見えてくるのだそうだ。

DXが失敗に終わる5つの障壁

 デジタル革命があらゆる業界に拡大している今、既存企業の多くが何らかのDXの取り組みを進めてきた。しかし、そのDXの取り組みのうち70%以上は失敗に終わっていることが、BCGやマッキンゼーなどが実施している調査で明らかになっているという。その中で、ロジャース氏は自身の研究や企業との仕事を通じて、DXが失敗する根本的な原因を5つ特定したとし、以下の要因を挙げた。

  1. 共有ビジョンの欠如
  2. 成長に向けた優先順位の欠如
  3. 実験より計画を重視
  4. 融通の利かないガバナンス
  5. 旧態依然とした能力

 70%の取り組みが失敗に終わっているのであれば、反対に30%の取り組みは成功しているということにロジャース氏は注目している。取り組みが成功した企業としてロジャース氏はウォルト・ディズニー・カンパニーやマスターカードなどの企業の事例を挙げており、いずれの場合も企業が革新的な変化を受け入れることで実現していると結論づけた。

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DX成功のカギを握る5つのステップ

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奥谷 笑子(編集部)(オクヤ エコ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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