HeatWave GenAIならRAGを簡単に実現できるだけでなく、ベクトル・ストアのデータをSQL問い合わせにも活用可能
「生成AIを使う上で非常に重要な技術としてRAG(Retrieval Augmented Generation)がある。HeatWave GenAIであれば、ベクトル・ストアに格納したデータをLLMへの入力に活用しRAGを実現できるだけでなく、SQLでの問い合わせにも活用できる」と、ベクトル・ストアに格納したデータをSQLでも活用できることについても説明があった。
HeatWave GenAIではインデータベースLLM(データベースに組み込まれているLLM)だけでなく、Oracle Cloud Infrastructure(OCI) Generative AIサービスと連携して外部のLLMも活用可能
「もしデータベースに(HeatWaveに)組み込まれて提供されているLLMではなく、異なるLLMを使用したい場合、OCI Generative AIサービスと連携して外部のLLMを使用することもできる」と、OCI Generative AIサービスと連携できることも紹介された。
エドワードが来日した2024年10月時点で、HeatWaveに組み込まれているインデータベースLLMにはMistralとLlama3がある。これらのLLMは残念ながら日本語を公式にはサポートしていないが、OCI Generative AIサービスで使えるLLMであるCohere社のCommand R、Command R+は日本語も公式にサポートしている。
ドキュメントをベクトル・ストアに格納する時のエンべディング・モデルは、Multilingual-E5がデフォルトで使用され、日本語のエンべディングもサポートしている。OCI Generative AIサービスと連携すれば、Cohere社のembed-multilingual-v3.0を選択することもできるが、このLLMも日本語のエンべディングをサポートしている。
HeatWave GenAIをHeatWave AutoMLと組み合わせることで、更なる活用方法も
HeatWave GenAIをHeatWave AutoMLと組み合わせて活用している事例についても紹介された。Eat Easyというドバイに拠点を置く食品デリバリーサービスでは、HeatWave AutoMLのレコメンドシステムを活用して、ユーザーの過去の行動に基づいてお勧めのメニューをピックアップし、更にそれらのメニューに対する説明をHeatWave GenAIを使用して提供することに取り組んでいる、とのことだった。
HeatWaveであれば、1つのデータベースでデータを管理することによりセキュリティを向上
「オラクル以外のデータベースでは、このような生成AIを活用したアプリケーションを作成する際に、様々なサービス間でデータを移動させる必要があったり、様々なシステムを統合したり必要がある。様々なサービスを利用するということは、それぞれに対してインターフェースが存在する。アプリケーションエンジニアはこれらの多くのインターフェースを正しく構成し、セキュリティを確保する必要がある上に、このセキュリティを継続的に担保し続ける必要がある。それに対して、HeatWaveではデータを1つのデータベースに格納し、様々な機能を提供しているので、セキュリティも容易に担保できる」と、単一のサービスで様々な機能を提供している強みをセキュリティ面からも強調した。
日本には世界で初めてのHeatWaveユーザーグループがありファンが多い
エドワードは、「日本には世界で初となるHeatWaveのユーザーグループであるHeatWavejp(MySQL HeatWave Japan User Group)があり、ファンが多い」と、HeatWaveのユーザーグループについても話題に挙げた。
HeatWavejpでは、参加者同士でノウハウやナレッジを共有できる勉強会をオンライン&オフラインで隔月程度で開催したり、Slackを使って情報共有したりしている。10月に開催された勉強会でも8月に開催された勉強会でも、今回エドワードが紹介したHeatWave GenAIに関する発表があるなど、最新情報についても情報共有されている。この機会に、HeatWaveに興味を持った方は勉強会やSlackに参加してみてはどうだろうか。