「オープンソース」は高校生から大学生になった
──ClouderaはApache Hadoopにより誕生しており、同じくHadoopを担いでいたHortonworksと統合することで、エンタープライズ向けのデータプラットフォームを提供する企業へと生まれ変わりました。一方、オープンソース企業では、商用ライセンスを変更する動きが活発です。現状をどのようにみていますか。
まさに「高校生だったオープンソースが大学生になった」と例えられるでしょう。15年程前、OSSは高額なクローズドソースの代替品でした。NovellでSUSE事業を運営した経験もありますが、まだ当時のOSSは高校生といえる存在だったのです。
その後、透明性や監査性などの特徴が認められると、大手企業にとっても“安全な選択肢”となりました。今では、多くの企業がオープンソースの技術上に事業を展開するようになっています。
安全性と信頼性からOSSが選ばれるようになり、企業は多数のソフトウェアを購入する。まさにコードはコモディティ化し、その価値はデータに移っていると言えるでしょう。これまでとは、真逆の状況に移ったのです。
Clouderaは2008年、まだオープンソースが高校生だった頃に誕生しており、現在でもHadoopなど、さまざまなオープンソースの技術を活用しています。ちなみにHadoopは世界最大規模の企業が採用しており、その中にはNSAやCIAなどもいます。NSAは、Hadoopに細かなアクセス制御を追加することで行レベル、列レベル、セルレベルでのロックを実現する「Apache Accumulo」をOSSとして公開しました。これは現在でも、監視データの保存に使用されています。
──では、Clouderaはどのようにオープンソースにアプローチしますか。
Clouderaが選ばれる理由の1つに、コミュニティエディションと商業版の両方をサポートしている点が挙げられます。(取材時点で)約65のコミュニティプロジェクトをサポートしています。
数ペタバイト規模のデータを扱うには、信頼できるベンダーが必要です。特にハイブリッド/クラウド/オンプレミスと、企業戦略がどのように変化しても我々はサポートできる。そのため、多くの企業にとってClouderaを選定することが“安全な賭け”になるのです。たとえば、「ハイブリッドのデータカタログをもち、一部をクラウドに、一部をオンプレミスにインデックスしたい」といったニーズは、クラウドにしか対応できないベンダーでは対応が難しいでしょう。しかし、我々ならニーズを満たせるのです。