2024年11月1日、富士通とAdvanced Micro Devices(以下、AMD)は、戦略的協業締結に係る共同記者会見を開催。富士通 執行役員副社長 CTO兼CPO システムプラットフォーム担当のVivek Mahajan(ヴィヴェック・マハジャン)氏と、AMD エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフコマーシャルオフィサーのPhil Guido(フィル・グイド)氏が登壇し、AIおよびHPC分野における取り組みについて説明した。
まず、マハジャン氏は今回のパートナーシップ締結について、「単なる技術の発展だけでなく、事業やビジネスの発展も目的としている」と説明。戦略的な協業であることを強調した。
締結の経緯としては、AI市場におけるTCOや電力消費の増加といった課題がきっかけにあるという。これらの課題を解決すべく、「オープンソース」「サステナブル」という2つのキーワードに沿った連携を取るとしている。
両社は、富士通のCPU技術とAMDのGPU技術を持ち寄り、以下の3つの領域で協業を強化するとした。
- エンジニアリング協業:富士通が開発するArmベースプロセッサ「FUJITSU-MONAKA」とAMDが提供する「AMD Instinct アクセラレータ」のハードウェア・ソフトウェア連携を強化
- エコシステム協業:両社のソフトウェア資産を活用したオープンソースエコシステムの成長
- ビジネス協業:ユースケースの拡大とインフラストラクチャのグローバル展開を加速
今後は、ハードウェア・ソフトウェア・ソリューションの3つを軸に、顧客に様々な選択肢を届けたいとマハジャン氏。AI市場に向けたCPUを提供していくという。最後に、同氏はこの協業で、「CPUとGPUの連携を強化しながら、顧客にローコストなサービス提供を実現したい」と期待を語った。
次に、グイド氏はAMDが提供する製品を紹介するとともに、協業における今後の展望を提言した。今回の協業で、GPU用AI・HPCソフトウェアスタック「AMD ROCm ソフトウェア」とFUJITSU-MONAKAを連携させ、AIコンピューティング基盤に最適化したOSSベースのソフトウェア開発を推進するという。
今後の目標として、2027年までにオープンソースでエネルギー効率の高いAI・HPC向けコンピューティング基盤の提供を目指すとのことだ。
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