日本でもグローバル企業を中心に暗号化が浸透中、背景にシステム刷新や法規制への対応など
ペンタセキュリティは現在、世界中の組織に対して暗号化ソリューションを提供しており、日本国内でも既に多くの企業が同社の製品を導入しているが、他国のユーザー企業と比べ、いくつかの企業では日本ならではの傾向が見られるという。
「日本企業は他国の企業と比べ、レガシーなシステムを長期間にわたって利用する傾向が強いです。そのため、弊社の暗号化製品を導入する際も、これまでは既存システムになるべく変更を加えることなく導入できる製品が多く選ばれてきました。ただし近年は、DXの一環としてクラウドへの移行を図る企業も多く、システムを刷新するタイミングで最初から暗号化を組み込みたいという相談も増えてきました」(陳氏)
また、暗号化の動きを業界別に見ると、かつては大量の個人情報を扱う金融業界での導入が圧倒的に多かったが、近年では製造業や流通業の企業による導入も増えてきているという。特に、海外にも事業を展開するグローバル企業が、海外拠点も含めたグローバル全体で統一されたデータセキュリティを設計するために、複数の暗号化方式を組み合わせてグループ全体に適用するケースが増加しているようだ。
コンプライアンス対応での暗号化導入においても国内外問わず、以前から金融業界においては、特にクレジットカード情報を取り扱う企業が、カードセキュリティの国際基準である「PCI DSS」のコンプライアンス対応のデータ保護措置として、PAN情報などを暗号化するケースが多く見られている。
「とりわけ欧州でビジネスを展開している企業からは、『GDPR(EU一般データ保護規則)』に基づく情報漏えい対策の一環として、個人情報保護対策で暗号化を求める声が多いです」(陳氏)