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2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

Data Tech 2024 レポート

創業112年のヤンマーがAI時代を見据えてデータ基盤を再構築中 “全社資産”として活用へ

現場発の好事例を横展開すべく、タスクフォースを筆頭に“トップダウン”で推進

これからはトップダウンで強力に推進 新たに全社組織を発足

 ボトムアップ型の活動の成果について、奥山氏は「徐々に盛り上げりを見せつつあり、この調子でいけば海外拠点も含めて順調に活動を拡大していけそうな手応えを掴んでいます」と語る。しかしその一方で、トップダウン型の活動については現時点ではまだ多くの課題を残していると指摘する。

 「部門ごとに進めている現場発のデジタルの取り組みは着実に成果が上がっていますが、これらを全社的な取り組みへと発展させていくためには、部門の垣根を超えたバリューチェーン全体を俯瞰した上でデジタル活用の戦略を練る必要があります。つまり部門ごとの“点”の活動ではなく、全社視点の“面”の活動にこれからより力を入れていかなくてはなりません」

 これまではバリューチェーンを構成する個々のタスクを対象に、それぞれ個別にデジタルやAIの活用を検討してきたが、今後はこれらすべてのタスクをいったん俯瞰した上で、「これらに対して最新のデジタル技術を適用すると、どのようなタスクに分割できるか?」という視点に立ってタスクを分割し直していくという。

 こうして定義した「新タスク」は、互いのシステムやデータがスムーズに連携できるよう設計し、将来的にはバリューチェーン全体でデータをシームレスにつなげてフィードバック・ループを高速に回せるようにしていく。

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 こうした活動をさらに活発化させるべく、同社は2024年4月に組織横断型のタスクフォースを新たに立ち上げ、事業部門とデジタル部門からそれぞれメンバーを集めてトップダウン型のDX施策に取り組み始めている。

 さらにはデジタル活用によって製品の進化スピードを速めるための活動も、今後さらに本格化していきたいと奥山氏は抱負を語る。

 「たとえば製品を販売した後もその使われ方や稼働状況に関するデータを収集・分析し、その結果を設計開発や生産活動にフィードバックすることで、ソフトウェアを継続的に改良しながらお客さまの手元の製品を進化させ続けていくことができます。このような『製品/ソリューションへのデジタル・AIの組み込み』の活動はまだ発展途上なので、今後さらにその適用範囲を拡大していきたいと考えています」

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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