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パナソニック コネクトが急進する統合データ基盤、Snowflakeを柱とした「コネクトCDP」構想

Marketo、Tableau、Salesforce……各種ツールを最大限に活用へ

 BtoB向けの機器・ソフトウェアの提供や、システムインテグレーション(SI)を担うパナソニック コネクト。同社は経営に資するデータ基盤の構築を目指し、2020年から2024年にかけてSnowflakeやFivetran、Tableau、Power BIなどを活用し、営業部門やマーケティング部門がリアルタイムでデータを利活用できるカスタマー・データ・プラットフォーム「コネクトCDP」を構築している。この取り組みについて、同社 デザイン&マーケティング本部の岩本章伸氏、IT・デジタル推進本部の渡邉勇太氏に話を聞いた。

データ共有の課題から始まった改革への一歩

 パナソニック コネクトのデータ活用は、約5年前から本格的に始動している。現在同社で「コネクトCDP」と呼ばれるカスタマー・データ・プラットフォーム構築の核となったのは、本社直轄のマーケティング部門だ。

 それまで同社では、各事業部のマーケティング部門が個別にデータを管理し、それぞれの施策を分析していたような状況だった。しかし、各部門が扱うデータや施策には共通点が多く、全社的な観点からは統一的に管理するニーズが高まっていたという。また、マーケティングオートメーションツール「Marketo」を導入するも、実施結果をCSVファイルで共有する手間や、他部門の成果と比較できないといった課題が浮き彫りとなっていた。これを受けて、全社的なマーケティングダッシュボードを構築するためのプロジェクトが2020年からスタートする。

 プロジェクトの初期段階は、CSVやExcel形式のデータを手動で収集し、それをTableauで可視化する作業が中心だった。デザイン&マーケティング本部の岩本氏は「まずはデジタル広告やWebアクセス状況など、各部門のデータを収集して共通のダッシュボード上で見られるようにするところから始めました。これまでは他部門にデータを見せたり、比較したりすることが無かったため、『部門間でデータを共有する』という文化を根付かせることが課題でした」と振り返る。

(提供:パナソニック コネクト株式会社)
共通のダッシュボードで「データを共有する文化」の醸成に向けた1歩を踏み出す(提供:パナソニック コネクト株式会社)
[画像クリックで拡大]

 その後、Marketoデータの可視化に着手すると、手動でのデータ処理の限界に直面。ほぼ毎日、メール送信などのマーケティング施策を行うMarketoでは、データの日次更新が必須であり、データを自動的に更新する仕組みが必要だった。

 同時期、IT・デジタル推進本部でも全社的なデータプラットフォームの必要性が議論されていた。2020年にDX推進企画課を率いることとなった渡邉氏は、新たなデータウェアハウス(DWH)の必要性をCIOに提言し、同年12月には具体的な計画を提示。これがデザイン&マーケティング本部にも共有され、DWH導入に向けた検討が本格的に始まった。

 当時、社内にはDWHはあったものの、その実態は“巨大なデータベース”に過ぎず、利用しているBIツールも事業部ごとにバラつきがあるなど、データの集約・分析まで一元化できていない状況だ。これを改善し、全社統一のデータ基盤を構築することが、渡邉氏によってチームのミッションとして設定された。

 「きっかけは、岩本の所属するデザイン&マーケティング本部からの引き合いでした。これを契機に『実際に利用できる環境を整備しよう』という話が具体化し、2021年度の第4四半期には環境が整い、実際に運用が始まりました」(渡邉氏)

 岩本氏が構想していたマーケティングダッシュボードは、3層構造だ。Webページの作成、メールの送信、展示会の開催などの基本的な施策レイヤー。次に、製品ごとのマーケティング活動を横断的に管理するレイヤー。そして、全体を俯瞰するマネジメントレイヤーだ。この3層を統合して、マーケティング活動全体を可視化するためのダッシュボードの構築を目指す。

(提供:パナソニック コネクト株式会社)
マーケテイングダッシュボードの3層構造、図中下から「施策レイヤー」「管理レイヤー」「マネジメントレイヤー」と捉えた形での青写真を描いた(提供:パナソニック コネクト株式会社)
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 岩本氏は「施策レイヤーの次のステップとして、たとえばレッツノート(Let’s note)など、製品ごとのマーケティング活動全体のパフォーマンスを管理するためのダッシュボードを実現する構想がありました。そのためには、営業に渡したリードが実際に商談や受注につながったのかというSalesforceのデータが必要です。当時からデータを一元管理し、全社活用できる基盤構築の必要性を強く感じていました」と明かした。

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次世代データ基盤の構築、柱に据えたのは「Snowflake」

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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