PagerDutyは、Amazon Web Services(AWS)との提携により、PagerDuty Operations Cloudプラットフォームに組み込まれているPagerDuty Advanceが提供する、生成AIと自動化の新機能について発表した。米国ラスベガスで開催されている「AWS re:Invent 2024」にて、PagerDutyの会長兼CEOであるジェニファー・テハダ(Jennifer Tejada)氏が、AWSのCEOであるマット・ガーマン(Matt Garman)氏の基調講演にゲストスピーカーとして登壇し、同発表について紹介したという。
新機能は、PagerDuty AdvanceとAmazon Q Business、Amazon Bedrock、Amazon Bedrock Guardrailsを連携し、企業がインシデント管理プロセスに生成AIを安全に導入しながら、自動化を推進し、運用上の修復力を高めることを可能にするとしている。
PagerDuty Operations CloudはAIと自動化の力により、業務に重大な障害をもたらすイベントを検知・診断し、適切な担当者を動員して対応し、デジタルオペレーション全体のインフラとワークフローを合理化するとのことだ。これらの新しいAIと自動化ツールの提供開始により、両社の共同の顧客は運用効率を向上させ、インシデント対応を迅速に行えるようになるという。
AWSとPagerDutyの最新生成AIの提携内容
Amazon BedrockとPagerDuty Advanceの統合
PagerDuty Advance Assistant for Slack and Microsoft Teamsは、AIによるインシデントのコンテクストをチャット経由で提供。これらの機能は、AWSの純正サービスであるAmazon Bedrockによって提供されるとのことだ。既に330社以上の企業がPagerDuty Advanceを使用しており、PagerDuty Operations Cloudプラットフォーム全体に組み込まれているという。
これにより、インシデント状況を効率的に把握できるようになり、インシデント発生時のトリアージが迅速化されるとのことだ。PagerDuty AdvanceとBedrockを併用することで、インシデント対応者は「他に影響を受けたサービスはあるか」「過去に同じインシデントは発生したか」「解決に向けて次に取るべき最善のステップは何か」といった質問への回答を、他の人に尋ねることなく、より簡単に取得できるようになるとしている。インシデントのコスト面の影響と人件費を考慮すると、インシデント1件あたり数十万ドルのコスト削減が可能になるとのことだ。
PagerDuty AdvanceとAmazon Bedrock Guardrailsの統合
PagerDuty AdvanceとAmazon Bedrock Guardrailsの統合により、生成AIによる対応の関連性と事実の正確性を向上させることが可能に。また、ある種のハレーションに対する一定の保護が提供され、望ましくないトピックや有害なコンテンツ、たとえば回答を生成するように意図的に入力された悪意のあるテキストをブロックするのに役立つとしている。
PagerDuty AdvanceプラグインとAmazon Q Businessの統合
PagerDuty Advanceを導入しているユーザーは、Amazon Q Businessプラグインを介して単一のユーザーインターフェースを利用し、PagerDuty Advanceを含む複数のアプリケーションのデータを照会可能に。これにより、インシデントデータを取得するためにサードパーティのアプリケーションを切り替える必要がなくなるという。PagerDuty Advanceの早期導入ユーザーへのインタビューでは、顧客はインシデント1件あたり平均30分を節約したと回答しているとのことだ。インシデントのコストへの影響と人件費を考慮すると、インシデント1件あたり数十万ドルのコスト削減に相当する可能性があるとしている。
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