「純然たる平時とも言えない状況が常態化」内閣総理大臣補佐官と防衛省大臣が登壇
プレイベントの冒頭では、内閣総理大臣補佐官の長島昭久氏が登壇した。サイバー攻撃の手法は時々刻々と高度化かつ複雑化し、攻撃者が圧倒的に有利な状況にあることを指摘。現在のサイバー空間は有事とは言わないまでも、もはや“純然たる平時”とも言えない状況が常態化しているとした。
わが国におけるサイバー対応能力の向上は切迫した状態であるといえ、実際に「能動的サイバー防御」の導入が検討されている。なお能動的サイバー防御に関しては、官民における事案の情報集約、分析の促進、民間対応に係る支援強化などに言及された。また、こうした状況は石破総理大臣も認識しており、“サイバー安全保障”における対応能力を向上させるための法案を可能な限り早期に提出すべく、検討をさらに加速するという。

さらに複雑な進化を続けるサイバー攻撃に対処するためには、政府機関のみならず、民間事業者や諸外国との連携が欠かせず、ともに能力を高めていく必要があると訴えた。
続いて、防衛省のサイバーセキュリティ・情報化審議官を務める家護谷昌徳氏が登壇。CYDEF 2024のテーマに触れると、サイバー空間における脅威が増大している現況について説明した。防衛省・自衛隊では、国家防衛戦略に基づきサイバーセキュリティ体制を強化。2027年度を目途にサイバー専門部隊を約4,000名、サイバー領域に係る要員を省全体で約20,000人に拡充するという目標を設定している。
引き続き“サイバー人材”の確保・育成について検討を進めるとともに、政府による取り組みとの融合を図ることの重要性、社会全体における“サイバー人材の循環”の中での人材確保・育成などに取り組む必要性を鑑みて、2024年7月に防衛省サイバー人材総合戦略を公表したと述べた。
