はじめに
2007年9月にWindows Server 2008 RC0(リリース候補版)が提供開始され、いよいよ次期サーバーOSの出荷も間近に迫ってきました。Windows Server 2008では様々な新機能が提供されますが、そのひとつがWindows Server 2008 Server Coreという新しいOSインストールオプションです。
本記事では、Server Coreを構成する上で必須となるコマンドラインの利用方法について解説します。
- Windows Server 2008 Server Core とは
- サーバー初期設定を行う Windows Server 2008 初期構成タスク
- Windows Server 2008 Server Coreで実行する初期構成タスク
- まとめ
Windows Server 2008 Server Core とは
Windows Server 2008 Server Core は、Windows Server 2008主要機能のひとつとして提供される新しいインストールオプションです。
Windows OSはバージョンアップとともに機能を拡張してきましたが、最近はより軽量かつセキュリティを強化したOSが望まれるようになってきました。そこで登場したのがServer Coreです。Server CoreはActive Directory、DNS、DHCPなどのサーバーとして最低限必要な機能に限定し、それ以外の不要な機能をすべて取り外すことで軽量化とセキュリティの向上を図ったOSです。たとえばセキュリティ上の脆弱性をしばしば引き起こすエクスプローラやInternet ExplorerはServer Coreに含まれておらず、セキュリティレベルの向上とパッチ適用回数の削減を期待することができます。
このように機能特化型サーバーとして登場したServer Coreですが、Windowsの大きな特徴であったGUIも省略されています。そのため従来GUIで行われることが一般的であったコンピュータの様々な管理を、原則すべてコマンドラインから実行しなければいけません。
サーバー初期設定を行う Windows Server 2008 初期構成タスク
Server Coreの概要を説明しましたが、ここで少し話題を変え、Windows Server 2008新機能のひとつである初期構成タスク(Initial Configuration Tasks, ICT)を紹介します。
初期構成タスクは、GUIのあるWindows Server 2008をインストールし、初めてログオンしたときに表示されるウィンドウです(図01)。
このウィンドウには「ネットワークの構成」「ドメイン参加」「役割や機能の追加」といった、一般的にOS導入直後に設定する項目が集約されており、管理者はOS導入後の初期設定において何をすべきか迷うことがありません。
一方のServer Coreですが、インストール後に初めてログオンしたときでも初期構成タスクが表示されることはありません。唯一コマンドプロンプトが表示されるだけであり、管理者はこの状態からコンピュータの初期設定を行う必要があります(図02)。