コアメンバーの熱量が全社に伝播してコミュニティが活発に
──生成AI普及のために社内コミュニティを作りたいのですが、運用が大変そうで、なかなかトライできません。そしてもう一つ、社内コミュニティを作りましたが、まったく盛り上がりません。どうすればいいでしょうか?
朝比奈:私たちも最初は恐る恐るでしたよ。実際に盛り上がらない社内コミュニティも見てきましたので、まずは変革に積極的なファーストペンギン社員を募ってコアメンバーとしました。同時に、社内コミュニティをセキュリティの相談窓口やIT部門からの情報発信の場として機能させることで、自然な形での参加を促しました。
意識したのは、心理的安全性の確保です。「どんな発言でも受け入れられる」という雰囲気づくりと、「経営層が推進する正式な活動である」という安心感。この2つのバランスを意識しました。コミュニティマネジャーには自由な発信を促し、私も積極的に「いいね」しまくりました。経営層との対話を共有したりもしましたね。ときには冗談も交えながら空気づくりに努めています。
櫻井:当社で順調にいっている主な理由は2つあります。1つ目は継続性。様々な施策を途切れさせずに続けて、熱が冷めないようにしました。2つ目は、メインの推進担当の2人のメンバーのモチベーションが高く、社内コミュニティでも積極的に情報発信し、「一緒にやろう」という雰囲気を作ってくれること。コミュニティ成功には、情熱を持ったメンバーの存在が不可欠だと実感しています。

リーダーが実践する、生成AI動向への“アンテナの立て方”
──生成AIの進化が目まぐるしい中、皆さんはどのように情報をキャッチアップされていますか?
朝比奈:ニュースキュレーションアプリで関心領域のキーワードのプッシュ通知に設定し、日々チェックしています。同時に、SNS上で信頼できる情報発信者をフォローしたり、その専門家が高く評価している技術や情報を掘り下げたりしています。情報のまとめサイトを作っている方もいて、なるほどと思いながら見ています。
櫻井:私は今日のようなイベントには積極的に参加するようにしています。講演者や参加者の皆さんとの会話から得られる情報が非常に役立っているんです。また、隙間時間に関連動画を視聴したりして、楽しくキャッチアップしています。
辻:私もまずはインフルエンサーの発信をフォロー。次に、生成AIスタートアップの皆さんと共創の余地があるかを議論しつつ、最新動向をキャッチしています。そして、実際に自分で実装する。それで、使える技術か肌感覚で判断しています。

経営戦略局 経営戦略部 兼 R&Dラボ 主任 辻理奈氏