Salesforceが新製品「Tableau Next」で発表した「Agentic Analytics」(自律型分析)テクノロジーとは?
Salesforce「Tableau Conference 2025」レポート
Salesforceは2025年4月15日から17日の3日間、「Tableau Conference 2025」を開催し、新製品「Tableau Next」を発表した。AIエージェント時代のデータ分析とBIを再定義する「Agentic Analytics(自律型分析)」という新ビジョンのもと、データ準備から分析、インサイト獲得、アクション実行までのプロセスを加速させる。「Data Pro」「Concierge」「Inspector」という3つのAIエージェントが、データアナリストの作業効率化とビジネスユーザーの意思決定を支援し、データドリブン経営の実現を促進する。
「Agentic Analytics」のビジョンを掲げる「Tableau Next」とは

AIエージェントの時代には、データの準備から、分析、インサイトの獲得、アクションの実行に至るまで、プロセス全体が加速する。その結果、起きることは仕事の変化だ。「今の仕事がなくなるわけではないが、やることが大きく変わる」、基調講演に登壇したライアン・エイティ氏(President & CEO, Tableau)は語った。そうなると、データに関わる人たちの役割も変わらざるを得ない。データを分析すると同時に、意思決定を実行する役割も担うことになるだろう。
すでに変化は始まっている。組織はその変化に追随できる状態を整えなければならない。Tableauも製品ポートフォリオを見直さなくてはならない。ここでTableauが選んだアプローチは、既存の「Tableau Desktop」「Tableau Server」「Tableau Cloud」「Tableau Prep」の提供は継続し、全く新しい製品「Tableau Next」をポートフォリオに追加することであった。「現在のTableauはどこにも行かない」とエイティ氏は繰り返し強調した。
Tableau Nextは、2024年9月に発表したTableau Einsteinを刷新したもの。Agentforceの提供に合わせて再構築したAIを搭載しているが、TableauはTableau Nextを含む全製品の相互運用性を保証する。エイティ氏は「Tableau Nextは、私たちを次の章へと導くための製品」と述べ、BI(Business Intelligence)を再定義する意図で、「Agentic Analytics(自律型分析)」というTableauの新しいビジョンを示した。

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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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