ソラコムと丸紅は、IoT領域における戦略的協業の一環として、丸紅グループの丸紅I-DIGIOホールディングスとソラコムの合弁会社を設立することで合意したと発表した。
![[画像クリックで拡大]](http://ez-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/21958/1.png)
新会社は、丸紅I-DIGIOホールディングスが傘下の丸紅ネットワークソリューションズ(以下、丸紅ネットワーク)のMVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業を分社化し、8月1日からソラコムのグループ会社とする予定だという。
丸紅ネットワークは、フルMVNOの1社として、NTTドコモ回線のMVNO事業を展開している企業。ソラコムは、KDDIおよびグローバル回線を提供するフルMVNOとして、IoT向けに特化した通信サービスを提供しており、クラウドネイティブな顧客管理・制御システムを自社技術で実現しているという。今後、両社の専門性を融合して、マルチキャリアのフルMVNOとして、より多様な通信ニーズに対応するモバイルサービスを提供していくとのことだ。
新会社では、ソラコムのソフトウェア、クラウドの技術を活かし、MVNO事業のインフラ設備やサービスを進化させていくという。まず、回線管理コンソールの刷新を通じて、ユーザーの操作性向上を図るとしている。また、次世代SIMであるiSIMなどの最新のSIMテクノロジーへの対応、モバイルワーカー向けにネットワークとセキュリティ機能を一体で提供するSASE(Secure Access Service Edge)への応用も検討していくとのことだ。将来的には、1つのSIMで複数の国内キャリアのプロファイルが使える「マルチキャリアプロファイル」の実現も視野に入れているという。
また、新会社のサービスを起点として、丸紅グループのDXコンサルティングやデータ分析とも連携することで、多様化する業界・地域のニーズ応えるIoT・DXソリューションを提供していくとしている。丸紅とソラコムは、2025年2月に海外市場におけるIoT分野での協業に向けた合意書も締結しており、海外におけるモビリティ、農業、電力・水道などのインフラ領域での事業展開について検討を進めていくとのことだ。
新会社概要
- 会社名:未定
- 本社:東京都文京区後楽二丁目6番1号
- 事業開始:2025年8月1日(予定)
- 出資比率:ソラコム51%、丸紅I-DIGIOホールディングス49%
- 事業概要:企業やプリペイドユースの大容量通信から、IoT向け低容量通信まで総合的な無線通信サービスを提供
【関連記事】
・IIJと三菱HCキャピタル、「省エネIoTパッケージ」を共同で開発・提供へ サブスクで利用可能
・SCSKと日本特殊陶業、合弁会社を設立へ──IT運営の変革を目指す
・NTTデータグループ、OpenAIとの戦略的提携へ──27年度末までに累計1000億円規模を目指す