Dataikuは、「The Universal AI Platform」にAIエージェント機能を追加すると発表した。
新機能は、AIエージェントを大規模に構築、コントロールするために設計されており、アナリティクス、予測モデル、エージェントを活用した新たなレベルのAIアプリケーションが実現可能だという。
エージェントの一元的な構築と包括的なガバナンスの実現
同社は、ビジネスユーザー向けのノーコードツールである「Visual Agent」と、開発者向けのフルコード対応「Code Agent」の両方を、同一プラットフォーム内で提供。加えて、ガバナンスを確保するための以下の機能も備えているという。
- Managed Agent Tools:エージェントが使用するツールの品質と検証を確保
- GenAI Registry:エージェントのユースケースを一元的にレビューし、ビジネス価値の評価やリスクの検証を行う戦略的管理を実行
- Sign-offs:本番環境への移行前に検証ワークフローを終え、リスク監視のために行う承認
Dataiku LLMメッシュアーキテクチャーによる安全なエージェントオーケストレーション
エージェントエコシステムは、モデルの急速な進化やコスト把握が困難であることから、セキュリティおよびガバナンス面でのリスクが高まっているという。IT部門は、独自のガードレールを構築・維持するか、特定のベンダーに依存するか、あるいは試験的な運用を許容するかという選択を迫られるが、いずれのアプローチにも拡張性や統制の面でリスクがともなうとしている。同社は、企業がエージェントを大規模にオーケストレーションするための堅牢な機能群を提供するという。
- Dataiku LLMメッシュ:OpenAI、Anthropic、Mistralなどのプロプライエタリモデルに加え、Bedrock、Azure、Geminiといったクラウドサービス、さらにLlamaやDeepSeekなどのオープンソースモデルまで、あらゆるモデルへのアクセスを一元的に管理
- Dataiku安全性ガード:ガードレールを柔軟に定義、適用
- Agent Connect:組織内のエージェントアクセスを単一インターフェースで一元管理し、1つのエージェントにリクエストを割り当てることも、複数のエージェントが連携してユーザーのリクエストに対応することも可能
継続的なエージェント最適化のための可視性とパフォーマンス監視
AIエージェントは脆弱で動的なシステムであり、予期しないエラーを引き起こしたり、時間の経過とともにパフォーマンスが低下したりする可能性があるという。エージェントを導入する企業には、テストやパフォーマンス監視を日常的に行い、常に最適化する姿勢が求められるとのことだ。同社は、エージェントの可視性とパフォーマンス管理を実現するために、以下の機能を提供するという。
- Trace Explorer:エージェントの意思決定プロセスや入出力の流れ、デバッグ情報を完全に可視化
- クオリティーガード:LLM-as-a-judge、評価セット、ゴールデンデータセットを活用し、エージェントのパフォーマンスを継続的に評価、監視。
- コストガード:リアルタイムでの利用状況の追跡、予算上限の設定、社内での課金管理
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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