ガートナージャパン(以下、Gartner)は、同社が開催中の「ガートナーデータ&アナリティクスサミット」において、世界のデータアナリティクスのリーダーを対象にした「最高データアナリティクス責任者(CDAO)サーベイ」から日本と海外のリーダーによる結果を発表した。
GartnerはCDAOを、組織のデータとアナリティクス資産、およびデータとアナリティクスのエコシステムによる価値創造に対して責任を負うビジネスリーダーであると定義している。影響力のあるCDAOは、組織をAIに対応させながら、反復的かつ頻繁に成果を出しているという。
同調査では、データ、アナリティクス、AIがビジネス価値提案や成果に対し、どの程度ポジティブで測定可能な影響を与えるかを調査。回答した海外のCDAOは、与える影響が大きいと考える上位に、「従業員の生産性」(39%)、「顧客体験」(38%)、「コスト最適化」「競争優位/差別化」(同率37%)を挙げたという。一方、日本のCDAOが上位に挙げたのは、「収益創出」(63%)、「顧客体験」(60%)、「競争優位/差別化」(57%)の3つ。順位の違いはあるものの、すべての項目において影響があると回答した割合は日本のほうが高い結果に。すなわち、日本のほうが海外に比べて、データ、アナリティクス、AIがビジネス価値提案や成果に与える影響を大きく見ていることを示しているとGartnerは述べる。
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一方、D&Aチームの成功を阻む要因についても質問したところ、海外で最も多かったのは「ビジネス成果への影響が測定不能」が31%で、次に「D&Aのための資金不足」「現場におけるD&Aの理解が不十分」「企業文化がデータ・ドリブンではない」の3つが同じ28%と続く。対して日本は、「企業文化がデータ・ドリブンではない」が64%と最も多く、次に「人材が集まらない」が45%、「企業文化が変化を受け入れない」が43%と続いたという。海外は成果測定と理解の獲得が主な阻害要因であるのに対し、日本は文化と人材が主な阻害要因として挙げられていることが明らかになったとしている。
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