「ポスト鳩山」の条件
今、永田町で叫ばれているのが鳩山由紀夫内閣の「5月退陣説」だ。自身の偽装献金事件や幹事長の小沢一郎による「陸山会」土地購入事件をきっかけに支持率が急落。仮に普天間基地移設の結論が出せなかったら、一気に「鳩山降ろし」の風が吹くであろう。
すでに「ポスト鳩山」を睨んだ動きも加速しており、今のところレースの先頭を走るのは財務大臣の菅直人で、次いで総務大臣の原口一博が後を追う展開だ。
そんな中、にわかに浮上しているのが元外務大臣の田中眞紀子である。仮に眞紀子が首相となれば、日本初の女性宰相の誕生となる。
眞紀子は、元首相の角栄の長女で、自民党時代の2001年4月の総裁選では、小泉純一郎の応援を買って出て、二人三脚で「小泉旋風」を巻き起こし小泉内閣で外務大臣に起用された。ところが、就任直後から外務省の事務方とのバトルが絶えず、やがて日本外交が機能不全に陥り、わずか9ヵ月で更迭されている。
2002年8月には自らの秘書給与流用疑惑が浮上し議員辞職に追い込まれ、その後、2003年11月の衆院選に無所属で出馬して復帰し、前回の衆院選直前に夫で参院議員の直紀と、夫婦揃って民主党入りした。
今の民主党で「ポスト鳩山」を狙うには小沢から寵愛されることが重要だ。しかし、昨年12月には、小沢が角栄の17回忌法要に出席して、眞紀子の案内で角栄の墓前に立ち手を合わせおり、永田町ではすでに小沢の「お墨付き」を得たと声も囁かれている。