「小沢訪中団」の裏側
総勢600名超が参加する異例の規模となった、記憶に新しい昨年12月10日から13日までの「小沢訪中団」は、民主党幹事長の小沢一郎(名誉団長)の存在感を誇示する絶好の機会となった。
この「小沢訪中団」は、中国共産党(中央対外連絡部、中華全国青年連合会)との議員間交流「日中交流協議機構」と、小沢が会長を務める「日中至誠基金」の「長城計画」の一環で行われたものである。
中国国家主席の胡錦濤が、参加した民主党議員全員と握手し、写真撮影に応じるという厚遇ぶりは極めて不気味で、さらに歓待された見返りに、小沢が首相の鳩山由紀夫を通じて強引にセットさせた副主席の習近平の天皇陛下謁見は、「天皇陛下の政治利用」に当たるとして問題視された。
だが、その一方で小沢は、「小沢訪中団」出発前に、民主党内に正式な日台交流のパイプを速やかに設けるよう小沢グループ「一新会」代表幹事の鈴木克昌に指示したという事実はあまり知られていない。これは、「小沢訪中団」帰国翌日に来日した台湾民進党主席の蔡英文と、民主党の10名余りの衆院議員との会談の中で明らかになったもので、先般、その小沢の命に従い、既存の「日台友好議員懇談会」と「日本・台湾安保経済研究会」が合併し、新たな議員連盟がスタートしたのであった。