求められる日台間の議員外交
日中国交正常化から今年で38年を迎える。それは言い換えると、日台断交から38年が過ぎたことにもなる。幕末の開国以来、日本が戦争以外で国交を断絶したのは台湾との例だけだ。しかしながら、日台関係は貿易、交通、技術、文化といった、あらゆる面で交流の幅が拡大し、断交以前よりも遥かに協力関係が緊密化している。
日台間には正式な政府間交流・交渉の場は存在していない。交流・交渉の場は、日台断交の時に民間組織として便宜的に設けられた「交流協会」(日本)と「亜東関係協会」(台湾)が、その窓口を担っている。だが、これだけ日台関係が密接になると、今後は当然のことながら政治面における相互関係のレベルアップも必要になってくるだろう。したがって、政治性が絡む交流・交渉では、議員連盟を通じた日台間の議員外交に大きな効果が期待できる。
確かに小沢には、訪中のタイミングに合わせて台湾にも一定の配慮を示すことで、中国との間のバランスを図る狙いもあったと思われるが、与党内に台湾との交流促進を目指す議員連盟が発足したことは、歓迎すべきものである。