6月26日、ドリーム・アーツは、「SmartDB」において、独自のAI活用構想「DAPA(DreamArts Practical AI:ダーパ)」に基づく、新たなAI機能および関連サービスを発表した。
DAPAは、AIの得意領域を最大限に活かすことを目的とした、“実務実装”志向のAI活用構想として同社が掲げている指針であり、下記を設計の基本ポイントとしている。
- 業務プロセスエンジンへのAI組み込み
- 業務データベースとのリアルタイム連携
- プロンプトのデータベース化と市民開発者(⼀般社員・業務部門スタッフを指す)による継続的育成
- 複数AIエンジンの選択性と柔軟な切り替え性
- アクセス権限管理との統合設計
- 出力の信頼性を高めるフィルタリング・マスキング機構
今回、このDAPAを具現化するため、上記のポイントを踏まえた「AIのリアルタイム連携」「プロンプトのデータベース化」をはじめとするAI機能群をリリースするとのことだ。

SmartDBでは、市民開発者がAIプロンプトの作成、利用するデータソースのマッピングを行い、継続的に業務改善できる仕組みを提供する。特にプロンプト設計を現場主導で行えるため、実務に根ざしたAI活用を可能にする点が強みだという。

DAPA構想に基づくSmartDBのAI機能群(第一弾)
- AIプロンプト・データベース機能:市民開発者が業務に最適なAIプロンプトを自ら作成・改善し、さらにそのプロンプトを一元管理・統制する仕組みを提供。属人化しがちなプロンプト活用のノウハウを“組織知”として共有・蓄積することで、全社的なAI活用力が継続的に進化
- AIプロンプト呼出ロボット機能:業務プロセスの各ステップに自然に組み込まれたAIが自動的にチェック・アシスト・サジェストを実行。申請時の事前準備の短縮、確認漏れや差し戻しを未然に防止。業務品質を向上させ、全社の意思決定をスピードアップ
- セキュリティフィルタリング機能:プロンプトをリアルタイムで監視し、情報漏洩や不適切な指示などのリスクを自動で検知・遮断。市民開発や業務におけるAI活用を安全・安心に推進するためのガバナンス基盤として機能し、組織全体のセキュリティレベルの維持・向上に寄与
- トークン課金管理・利用モニタリング機能:AIの利用状況をリアルタイムで可視化し、管理者による利用制御とコスト最適化を実現。利用量の把握だけでなく利用傾向に基づく予測もでき予算管理の精度を向上。無駄な消費や予期せぬ課金を防ぎガバナンスの強化で、安心して「デジタルの民主化」を推進する環境を提供


また、今回のSmartDBのAI機能搭載に加えて、下記サービスも順次リリース予定だとしている。
- 実務にAI活用を定着させるためのコンサルティングサービス
- プロンプト設計や、ファインチューニングなどのAI構築サービス
なお、新たなAI機能やサービスについては、2025年内にテストユーザーとの先行プロジェクトを開始予定であり、2026年4月からの提供を予定しているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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