今回はサーバーとストレージをつなぐインターフェースの発展について解説する。過去にはパラレル転送の方がシリアル転送より速いと考えられてきたが、現在はシリアル転送が高速化の主役だ。各インターフェースの特徴を解説しながら、歴史的な経緯を振り返ってみたい。
沢山の装置を付けるために
SCSIは最大でも15個の装置しか接続できないと書いたが、実際に企業などでサーバーの構築を行なったことがあるユーザーの方はご存知の通り、大きなディスク装置をSCSI経由で接続させた場合、15個以上のディスクを単一SCSI接続で利用することが可能だ。
これは何故なのだろう。確かにSCSI ID(ターゲット)は15個しか付けられなかったとしても、SCSIは別の手段でユーザーにディスク・イメージをより多く見せる手段を用意しているのだ。それがLUN(論理ユニット番号:Logical Unit Number)だ。
UNIXやWindowsシステムを利用した経験がある方は、ディスクのことを何故かLUNと呼んでいるので、不思議に思われた経験をお持ちの方も少なくないであろう。LUNと書いてそのまま「エル・ユー・エヌ」とも読むし、「ルン」と読む場合もある。
ディスクを例にみると、図4-5にも示したようにSCSIバスに接続された1つのディスク装置は、必ずしも1つのディスクとしてユーザーから利用されるわけではない。1つのディスクを2つ以上の論理的なディスクとして利用できるのだ。1つのターゲットに64個のLUNを構成させることができるため、15個のターゲットがあった場合、以下の式のように960個のLUNを1つのSCSIバスで利用できることになる。
15(ターゲット)× 64(LUN)= 960(LUN)
LUNの概念はファイバーチャネルを利用した場合などでも共通に利用される概念なので、是非、理解しておいて欲しい。
この記事は参考になりましたか?
- システム担当者のための今さら聞けないストレージ再入門連載記事一覧
- この記事の著者
-
佐野 正和(サノ マサカズ)
1986年日本アイ・ビー・エムの入社、本社SE技術部門で13年間ストレージ製品を中心に技術サポートを行なう。1999年にストレージ製品事業部に移り、以後、IBMストレージ製品の営業推進やソリューション推進、製品企画などの業務に携わる。現在、システム・ストレージ事業部でソリューション担当部長を拝任し、...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア