アイ・オー・データ機器の選択 ハードウェア保守切れとコスト増にどう対応した?
実際にリフト&シフトに乗り出している1社がアイ・オー・データ機器(以下、I-O DATA)だ。同社は増大するITインフラにかかわる課題を解決するため、仮想化のノウハウを生かせる「Oracle Cloud VMware Solution(OCVS)」の導入を決めている。
同社は、石川県金沢市に本社を置くデジタルデバイス周辺機器の開発・製造・販売を行う企業。同社の情報システムは、DX推進部情報システム課の20名ほどで運用されている。サーバー環境は自作PCサーバーから始まり、メーカー製サーバーの導入を経て、2012年頃からはVMwareベースの仮想基盤を導入、2018年には基幹システム群を外部データセンターに構築するなど、段階的に進化を遂げてきた。
これらオンプレミスの環境ではいくつかの課題を抱えていたが、特に懸念されていたのは、社内業務システムサーバーの多くでハードウェアの保守期限が迫っていたことだ。少人数の情報システム課にとって、サーバー群の管理は大きな負担であり、維持するだけで手一杯だった。また、リソースの拡張も柔軟性に欠け、見積もりから構築までに長時間を要するなど、迅速な増強は困難だった。

[画像クリックで拡大]
さらにOracle Databaseが物理環境で稼働しており、同環境の可用性を確保することも欠かせない中、こうした状況に拍車をかけたのがBroadcomによるVMware買収だ。I-O DATAもまた、より柔軟で拡張性に優れたITインフラへの移行を強く求められることとなった。
この記事は参考になりましたか?
- 週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧
-
- 「脱VMware」の現実解とは? アイ・オー・データ機器に学ぶ、クラウド移行の戦略的アプロ...
- AIはビジネスとITの「溝」を広げるのか? Gartnerが提言する、これからのアプリケー...
- ガートナーに訊く“AI時代”のデータ戦略、鍵は「データファブリック」と「アクティブメタデー...
- この記事の著者
-
谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア