ある日の真夜中に、あるデータセンターでオペレーターさんがアラートを検知しました。アラートの対応手順書を確認したところ「電話連絡先リストに従って電話連絡する」と書いてあり、早速リストの一番上に名前が掲載されている方に電話をしました。しかし、電話に出て貰えなかったので二番目の方に電話し、そして三番目の方に...
真夜中に電話が掛かってくる
重要な打ち合わせの最中や真夜中にサーバーの監視を行っているオペレーターから電話が頻繁に掛ってきて困っています。なんとかして、電話が掛ってくる回数を減らしたいと思っていますが、どの様な手順で進めるとよいでしょうか?
まず、状況を可視化する必要があります。電話が掛ってきた件数、目的、内容などを全て記録します。その際、テキストではなく、選択式(プルダウンなど)での入力するように心がけて下さい。選択式にすることで、入力者の負荷も軽減されますし、入力者の違いによる「入力内容のブレ」が無くなり、内容の統計化が容易になります。結果として課題が見えやすくなるのです。
なるほど。何となく忙しいという漠然とした把握ではなく、現状の把握から始めるということですね。
はい。1ヶ月ないし2ヶ月程度の情報が蓄積された時点で、情報の分析を行います。具体的には、電話の内容を分類し、各分類ごとにその原因を調べます。次に20:80の理論(上位20の事象が、全体の80%を占めている)を意識しながら、大幅に電話回数が削減できそうな原因を選び、実施しやすい対策から着手します。
20:80の法則・・・、つまり、レアケースはひとまず置いて、頻繁に発生していて、しかも簡単に解決できる問題から手をつけるというわけですね。
そうです。その方が最初に効果が大きい出やすいですし、カイゼン活動の推進力が増します。例えば、電話が掛ってくる原因の多くが「DBの表領域不足」や「DBのレスポンス悪化」というように、DBに関連した原因が全体の80%まで行かなくとも、電話全体の30-40%を占めている場合が多々あります。
その場合は、DBの再設計やサーバーの増強などの対応策を実施することで、大幅に電話件数を削減出来ます。効果の実感があれば、カイゼン活動に身が入るし、周囲の理解も得られやすいですよね。 (→電話の呼び出しが減らせれば万事解決?)