なぜAI活用は「続かない」のか? “あと一歩”の企業こそ、パワーユーザーを置くべき理由
“逆戻り”を防ぎ、成果を出し続けるための組織的「仕掛け」とは
AIエージェントで変わること、変わらないこと
AI活用によって継続的に成果を上げるためには、AI技術の最新動向を把握することも欠かせません。AIは進化が目まぐるしく、「できること」が加速度的に増え、業務に活用できる範囲が広がり続けているためです。だからこそ最新情報を押さえ、新たに適用できる業務がないかを探り続ける必要があります。
たとえば、直近で注目すべき動向は「AIエージェント」です。従来の生成AIはユーザーが設計したプロンプトによって動き、アウトプットの質はプロンプトの内容に大きく左右されていたため、その習得が大きなハードルとなっていました。
これに対してAIエージェントは、プロンプトを「目標」として解釈し、自律的に動きます。基本的な役割定義や行動ルールは既に埋め込まれているため、大まかなゴールを設定するだけで、タスクを自ら分解・実行することが可能。状況に応じて外部ツールやデータベースにアクセスし、アウトプットの評価や修正も行うため、誰でも使いやすいことが特徴です。もちろん、プロンプトが不要になったわけではありませんが、プロンプト習得が活用の障壁となっていた企業にとっては、AIエージェントを活用するメリットは大きいはずです。
とはいえ、AIエージェントを構築するためには、その裏で動く専門的なプロンプトを設計できるだけの深い業務理解が求められます。いずれにせよ、業務を分解し、どの業務にAIを適用できるかを分析する視点は持ち続けなければならないと心にとどめておきましょう。
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小坂 駿人(コサカ ハヤト)
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
ビジネストランスフォーメーション事業本部
データコンサルティンググループ 兼 ゼロ化コンサルティンググループ マネジャー2021年、パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社に入社。前職ではHR業界における事業戦略/新規事業開発部門に所属。2022年には、...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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