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メインフレーム技術を応用したノンストップデータベース―DB2 pureScale


現在、企業活動に必要な情報は多岐にわたり、膨大なデータを高速で処理しなければならない。また、クラウド時代においては、サービスを止めない高可用性システムの要求も高い。IBMは同社主催のプライベートイベントにおいて、従来のデータベースを越えるスケーラビリティと、リカバリ中もシステムを停止させないというDB2のシステム構成についての講演を行った。

DBのスケールアウトにメインフレームの技術が有効

 13日、14日にわたって開催された「Informaiton On Demand Conference Japan 2010」(主催:IBM)では、企業をとりまく情報と業務プロセスという視点からみた全体最適なITシステムやソリューションについての展示や発表が行われた。

 その中で、pureScaleという、DB2をベースとしたスケーラブルで高可用性のシステム構成によるソリューションの紹介が行われていた。登壇者は、日本IBM IM&BA データマネージメント ICP ITアーキテクト 久保俊彦氏である。  

日本IBM IM&BA データマネージメント
 ICP ITアーキテクト 久保俊彦氏
日本IBM IM&BA データマネージメント ICP ITアーキテクト 久保俊彦氏

 久保氏は、クラウド時代のビジネス背景として、ネット上の電子マネー取引の増加などからトランザクション処理が爆発的に増えていることを挙げた。さらに企業のクラウドサービスやウェブサービスへの依存度の高まりから、事業継続性の重要性が増していると述べた。

 クラウド時代においてはサービス停止はビジネスの機会損失に直結し、グローバル化による国境を越えたサービスが、文字通りの24時間365日のシステム運用が不可欠となっているという認識によるものだ。そして、サービス競争の激化やビジネス環境の変化への対応速度も早まり、新サービスや新システムの展開が月単位から日単位に変わってきているともいう。  

 これらの状況は、既存テクノロジーの限界を超えるものでもあり、その具体例として、データベースではシェアードディスク型のアーキテクチャが、スケーラビリティと障害対策やメンテナンス時のダウンタイムで問題点に直面しているという。例えば、データベースノードを追加しても思ったようにスケールアウトしない。アプリケーションやサーバーを拡張すると個別のチューニングをしないとシェアードディスクが活用できない。障害、メンテナンスによるダウンタイムがビジネスに影響を与えてしまう。などといった問題が現場では起きている。  

 久保氏は、スケーラビリティやシステムの高可用性の問題に対するソリューションは、じつはメインフレーム技術にある述べる。メインフレームといえば、一部ではレガシーシステムに分類される技術だが、大規模システムのスケーラビリティや信頼性という点では、活用すべき技術があるということだ。久保氏によれば、pureScaleはDB2 for z/OSのアーキテクチャをベースにしているそうだ。なお、このメインフレーム版のDB2システムは、ライバルであるOracleのCEOであるラリー・エリソン氏は、インタビューで一目置いている存在であると発言したこともある。  

 pureScaleで採用したメインフレーム技術は、カップリングファシリティ(CF)、並列シスプレックス、Infinibandなどである。CFとはノードごとのロック情報とキャッシュ(更新データ)を集中管理するテクノロジーであり、これを並列シスプレックスによって多重化および同期させることで、スケーラビリティと高可用性を確保する。Infinibandはスーパーコンピュータなどにも採用されている、パケット通信ベースIPプロトコルとは異なる高速のサーバ間通信プロトコルだ。

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pureScaleのシステム構成

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この記事の著者

中尾 真二(ナカオ シンジ)

フリーランスのライター、エディター。
アスキーの書籍編集から始り、翻訳や執筆、取材などを紙、ウェブを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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