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AIを“意のまま”に セールスフォースが解決率77%の知見を注ぐ「Agentforce 360」

「Dreamforce 2025」現地レポート:最新バージョンで強化された4つの領域

体験の質のために「Intelligent Context」「Agentforce Voice」を導入

 日常生活で、一般的な生成AIツールのプロンプトに同じ内容を入力し、毎回異なる回答が返ってくることに妥協できたとしても、顧客に対応するAIエージェントが一貫性のない回答を返すことは許されない。

 人間であれ、AIエージェントであれ、体験の質を決めるのは膨大なデータの背景にある「コンテキストの理解」である。その際、構造化データと非構造化データ、両方の意味を正しく解釈することが求められる。問題は、構造化データの解釈は比較的容易でも、非構造化データには解釈が難しいものがあることだ。たとえば、商品の取扱説明書のように画像、表、テキストが混在するリッチテキスト形式の文書の利用目的は、営業とカスタマーサポートで異なる。つまり、AIエージェントが「データを何の目的で使うのか」をコンテキストの一部として、適切に管理しなければならないことを意味する。

 2つ目の重点領域「コンテキスト」に関連し、Agentforce 360では非構造化データを含む、さまざまなデータを適切なタイミングで取り込み、適切に解釈し、インデックス化することで、AIエージェントが適切に動作するようにした。そのためのツール「Intelligent Context」は、AI支援のコンテキスト抽出機能を利用することで、さまざまな役割の人たちがもつ多様なニーズに基づいたテーブルやフローチャートなどから、AIエージェントに正確なコンテキストを与えてくれる。

 さらに、3つ目の重点領域「体験」の観点では、どのチャネルからでも一貫性のある動作になるよう音声対応を強化した。これまでブランドのデジタル体験に投資をしてきたのであれば尚更、AIエージェントを導入した後に“体験の質”を低下させてはならない。顧客は店舗に来た場合でも、アプリやWebサイトに来た場合でも、電話をかけてきた場合でも、統一感のあるシームレスな体験を期待するからだ。

 Agentforce 360で新しく実装されたのは、テキストベースの対話に加えて、音声での対話を実現するための「Agentforce Voice」。AIエージェントの強みは、24時間年中無休で顧客に対応できることだ。テキストによる対応よりも、電話を好む顧客に対して提供価値は高まる。Agentforce Voiceでは、これまでのカスタマージャーニーを維持した上で、人間の担当者と同じぐらいに自然な会話ができる。

AIエージェントがテキストだけでなく、音声にも対応(出典:セールスフォース)
AIエージェントがテキストだけでなく音声でも対応(出典:セールスフォース)
[画像クリックで拡大]

 さらに会話の途中、人間の担当者への引き継ぎが必要になった場合に備え、通話中の内容はすべてテキストで記録。引き継いだ担当者は、その内容を参照することでスムーズに会話を再開できる。

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エンジニアだけのものではない「AIエージェントの可観測性」

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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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