RAGだけでは拭えないAIの信頼性への懸念……データを“AIが使える安全なもの”に変える基盤構築術
生成AI活用のPoCから脱却するには? Alteryxで実現する「AIデータクリアリングハウス」
データ処理の中に生成AIを取り込む:名寄せ処理も簡素化
Alteryxを用いて実際に生成AIを業務プロセスに組み込んだ例として、新郷氏は「名寄せ処理」のユースケースを紹介した。人名や社名などの固有名詞の「半角・全角表記」を統一し、名寄せを行う処理は多くの業務システムで行われているものだ。Alteryxの既存機能でもこれまでローコード/ノーコードツールを通じて名寄せ処理をシンプルに実装する手段を提供してきた。
そこに生成AIをうまく取り込むことで、従来の名寄せ処理のロジックより簡単に処理を設計・実装できるようになるという。これまでは多数のロジック部品を組み合わせる必要があった半角・全角の統一処理も、生成AIに対して適切なプロンプトを投入するだけで簡単に実装できる。実際にこの処理を実装するためには、GUI上で「LLMの選択処理」の部品と「名寄せ処理の設定・実行」の部品を配置して、両者を線で結ぶだけで済むという。
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こうしてAlteryxの処理フローの中に生成AIを組み込んで実行できるメリットについて、新郷氏は「あらかじめプロンプトを定義しておくことで、必ず毎回同じプロンプトが生成AIに投入され、回答内容に揺らぎが生じることを防げます」と説明する。
さらに、生成AIが行った名寄せ処理の結果をチェックするロジックも、既に紹介したようにAlteryxにあらかじめ組み込まれているチェックロジックをノーコード/ローコードツール上で部品として呼び出して、GUIに配置するだけで簡単に設計・実装できる。
「このように、短時間のうちに実装した生成AIのデータ処理ロジックを、スケジューリング機能により自動実行できる点もAlteryxの大きな特徴です。接続認証機能やログ取得機能も充実しており、厳しいガバナンス要件にも応えることができます。こうした仕組みを通じて、生成AI時代にふさわしい透明性と信頼性の高いデータ処理基盤を提供していきたいと考えています」(新郷氏)

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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