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ソーシャルメディアマーケティングの在り方を再考しよう

ソーシャルメディアマーケティングの在り方を再考しよう

―効果の数値化と手法の多角化―

世間ではソーシャルメディアマーケティングへの期待が高まる一方だが、目的と手段を混同してしまっているケースが多い。顧客との関係を深め、ファンを増やしていくことはソーシャルメディアマーケティングにおける重要事項であるが、それは手段であり、目的ではない。  

ソーシャルメディアマーケティング=Twitterマーケティング?

 ソーシャルメディアマーケティングを行う目的とは、

1)ソーシャルメディアへ情報を効率的に流通させること=クチコミを生むこと(WOM マーケティング)、

2)ソーシャルメディアから自社サイト(あるいは店舗) への誘導を最大限に引き出すこと

 の2つだ。そのために顧客関係を高める努力をするのである。

 日本国内では、いまのところソーシャルメディアマーケティングの成功例として誰もが認めるような事例が少ないが、それはソーシャルメディアマーケティングを行う目的を曖昧にしたまま着手しているケースが多いためではないかと考える。もちろんCRMやブランディングのために利用する、ということはある。しかし、そうした利用法は効果がみえてくるまでに時間がかかるので、やはり成功例としてはとりあげられづらいのである。

 また、日本ではTwitterに対する過度な期待あるいは傾倒がみられ、これがソーシャルメディアマーケティングの本来の威力を損じている可能性が高い。

 米国では100万人クラスのSNSが数多く存在し、しかもそれらの多くはTwitterやFacebookの影響をもろに受けてオープン化している。オープン化しているからデータの相互共用やトラフィックの流動も発生し、それによってマーケティングに利用するだけの価値ある規模を生む。ところが日本ではFacebookの影響は小さく、SNSと呼べる存在はもはやmixiしかない。しかもそれは依然として閉鎖的な空間である。

 さらに、GREEやモバゲータウンはソーシャルゲームのプラットフォームではあってもコミュニケーションプラットフォームですらなくなっている。

 こうした環境から日本ではソーシャルメディアといえばTwitter、ソーシャルメディアマーケティングといえばTwitterマーケティングであるかのような誤った認識から外れることができずにいる。

 米国のソーシャルメディアマーケティングの成功例のほとんどは、TwitterというよりもFacebookやYouTube、Ustream(ライブ動画の共有サービス)などを総合的に使ったものである。あるいはオバマ大統領の選挙支援組織が作り上げたMyBO(mybarakobama.com)のように、独自のSNSを立ち上げるなど、決して小額ではないコストを費やした大々的なものが多いのである(しかも既存のソーシャルメディアとのコミュニティ共有を可能にすることは忘れない)。

 つまり、日本国内のソーシャルメディアマーケティングは未成熟であり、Twitterへの過度な依存を改めて、ブログなどを含むありとあらゆるソーシャルメディアを刺激して、トラフィックを自分たちのサイトへの好循環を作り上げることを計画するべきだし、そこに十分な資源を投下することが必要なのである。

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時間の要素 ・場所の要素 ・事件性の要素 ・五感の要素

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この記事の著者

小川浩(オガワヒロ)

株式会社モディファイ CEO 商社にて東南アジアを中心に活躍後、96年マレーシアにて独立。帰国後、日立製作所にてイントラブログシステムなどの企画を手がけた後、サイボウズ(株)のネット関連子会社フィードパス(株)のCOOを務める。  2008年1月にモディファイ設立。現在に至る。著書に『ビジ...

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