若き“日本発”セキュリティ企業の創業者に訊く、変化する防御の定石とセキュリティ業界のトレンド
疎かにしがちな「事後対策」、そもそも何から着手すべき? AIのためのセキュリティは今までと何が違う?
クラウドの利用拡大やAIの台頭により、サイバーセキュリティの環境はここ数年で大きく変化した。セキュリティ業界にとってはパラダイムシフトが起こっている状況とも言えるかもしれない。日本発のセキュリティ企業も増えてきた。その一つがChillStackだ。今回はその若きCEOに、昨今の脅威トレンドやセキュリティ業界の変化について考えを伺った。
学生起業から始まった“日本発”セキュリティスタートアップ
2018年に創業したChillStack。いわゆる日本発のサイバーセキュリティ企業だが、既に企業や公共をはじめ多くの顧客を持つ。CEOの伊東道明氏が学生時代に起業したスタートアップだ。
CEOであると同時に技術者でもある同氏は、学生時代から「AI×セキュリティ」の分野で研究に取り組んできたという。生成AIはまだ登場していなかったため、セキュリティでのAI活用といえば、スパムメールの判定などといった古典的なユースケースが主だった。
「ほんの数年前の話ですが、当時のAIは機械学習(ML)や統計学的な利用に代表されるような、もっと専門的で閉じた世界の技術だと見られがちでした。生成AIの登場以前にも、ディープラーニング(深層学習)のような注目の技術は出てきていましたが、ほとんどの人はそれが何なのかよく知らず、使っていようものならそれだけで最先端という時代でした」(伊東氏)
伊東道明氏
そう考えると、セキュリティのインシデント対応や平時の運用業務にエージェント型AIが実装されつつある今の様相は、驚くべき変化だといえるだろう。それほど、ここ数年での生成AIの登場と進化がもたらしたものは大きいということだ。
ChillStackもまた、セキュリティ業務でのAI活用の支援などを提供しているが、最も大きな特徴は「ゼロベースで、その顧客に特化したAIを作る」点だという。業態やITのインフラ環境といった、企業ごとの複雑な要件に応えるAIやシステムを提供するケースが多いとのことだ。
コロナ禍での働き方やIT環境の変化、サイバー攻撃の大規模化と巧妙化、ウクライナや中東地域をはじめとする地政学的な緊張、さらにはセキュリティ・クリアランスや能動的サイバー防御などといった国内での法整備の加速を背景に、日本企業でのセキュリティ意識も一気に高まりつつある。こうした市場の動きも、ChillStackの成長を後押ししていくことになるだろう。
そんな若きセキュリティリーダーの伊東氏に、昨今のサイバー脅威の変化や防御側で起こっている潮流、対策の定石の変化について色々と尋ねてみた。
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
2021年より事業変革に携わる方のためのメディア Biz/Zine(ビズジン)で取材・編集に携わった後、2024年にEnterpriseZine編集部に加入。サイバーセキュリティとAIのテクノロジー分野を中心に、それらに関する国内外の最新技術やルールメイキング動向を担当。そのほか、テクノロジーを活用...
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