そのバックアップは機能するのか? システム復旧と事業継続の命運を分ける「レジリエンス」の真髄
3-2-1ルールからRTO/RPO設定まで──有事に「最初の数日」を乗り切るための復旧力の鍛え方
ランサムウェア被害が急増する中で、改めてデータバックアップの重要性が増しています。データが暗号化されてしまい、業務が完全に復旧するまでに数ヵ月を要する事例も発生しています。それほどの長期間にわたって業務がストップすれば、企業の存続が危うくなる可能性もあるでしょう。バックアップデータは復旧に欠かせませんが、正しいバックアップを実現できている企業ばかりではないという実態があります。バックアップデータ自体は適切であっても、運用体制に課題があることで、迅速な復旧に至らないケースもあります。本稿では、データのバックアップシステムにおける運用課題と、いち早く復旧できる体制を構築するうえでの留意点を考えます。
「復旧」はレジリエンスの中核指標
ランサムウェア攻撃によって重要なファイルが暗号化され利用不可能になることで、通常の業務活動がストップし、業績に多大な影響を及ぼす事態に陥ります。
昨年、ある大手企業がランサムウェア被害に遭った際には、暫定的な業務再開まで約2ヵ月を要し、本格的に業務を再開できたのは4ヵ月以上経ってからでした。これほど長期間にわたり業務が停止すれば、業績への影響だけでなく、市場シェアの低下や、その回復に時間を要するなど、影響は広範囲に及びます。
重要なファイルが暗号化されて利用できなくなった際、業務復旧の大きな力となるのが、事前に取得していたデータバックアップです。バックアップファイルを使うことで、早期にシステムを復旧し、通常業務へ戻ることが可能となります。
NIST(米国国立標準技術研究所)のセキュリティフレームワークでは、データバックアップによる「Recovery(復旧)」の重要性が明確に位置付けられています。ガバナンス、セキュリティ(識別・防御・検知・対応)、そしてバックアップという3つの要素が揃うことで、ようやく包括的なサイバーセキュリティ対策が成立するのです。
また、2026年度中に経済産業省が施行を予定している「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(以下、SCS評価制度)」では、大企業だけでなく、取引先である中小企業も含めて一定水準のサイバーセキュリティ対策を講じていることが求められる見込みです。国内だけで事業を展開する企業でも、NISTのガイドラインに準拠した実効性あるサイバーセキュリティ対策が必要となるでしょう。
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- この記事の著者
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鈴木 真(スズキ マコト)
バラクーダネットワークスジャパン株式会社
執行役員社長エンタープライズITおよびサイバーセキュリティ分野で30年以上の営業経験を有しています。2023年にバラクーダへ参画する以前は、ダークトレース・ジャパンのカントリーマネージャーとして、東京および大阪における営業チームと事業運営を統括していました。※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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加藤 路陽(カトウ ミチアキ)
バラクーダネットワークスジャパン株式会社
シニアソリューションアーキテクト13年以上にわたりバラクーダに在籍し、地域における技術面の専門家として、営業チームを支援しながら製品およびサービスの提供を主導しています。バラクーダへ参画する以前は、大手SIにてシステムおよび製品エンジニアリングを担当し、テクノロジ...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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