ますます強固になるWin-Winの関係
栗原氏
まだお伺いするタイミングとしては早すぎるかもしれませんが、サイベースがSAP傘下となったことの影響についてお聞かせ下さい。
マーク氏
確かに具体的にお答えするにはちょっと早すぎますね(笑)。あくまでも一般的な視点からお答えしましょう。SAPがサイベースを傘下に収めた理由としては大きく3点が挙げられています。第一に、サイベースのモバイル関連ソリューション、次に、Sybase ASEというデータベース、そして、Sybase IQに代表される分析ソリューションです。いずれの点でも両社にとってメリットが大きいと考えています。
栗原氏
Sybase IQの分野におけるサイベースとIBMとの具体的な協業体制について教えていただけますか。
マーク氏
「Power ソリューションデザインセンター」もそうですが、当社とIBMの協力関係はグローバルであり、トップレベルでのコミットメントに基づくものです。また、テクノロジー的にもきわめて深いものです。過去6年ほどにわたり、当社はIBMのPower Systems開発チームと緊密に連携し、テクノロジーのロードマップを共用し、製品が出荷される前からプロセッサやOSカーネルのアーキテクチャに合わせたSybase IQの最適化作業を行なってきました。製品が市場に出荷されてから、それに合わせてチューニングするというのではありません。もちろん、将来の製品についてもすでに情報交換が行なわれています。
栗原氏
IT市場には多くのベンダー間の「協力関係」があります。その中には、単なる共同販売でしかないものもあるわけですが、サイベースとIBMの関係はそれよりもはるかに深いものであるということですね。
マーク氏
はい、その通りです。もちろん、セールスやマーケティング面の協業も行なっていますが、それだけではありません。TPC-H(3TB、非クラスタ)のベンチマーク結果を見れば、Sybase IQとPowerの組み合わせが、テクノロジー的にきわめて強力であることをご理解いただけると思います。そして、このソリューションはもちろん、Powerソリューションデザインセンターをパートナー様がご利用いただけるのと同様に、パートナー様からも販売いただいています。現在、株式会社NTTデータ様やNTTデータ先端技術株式会社様をはじめとして多くのパートナー様が販売をされています。
高橋氏
追加をするなら、IBMがSAPの最大手インテグレーターのひとつであることも重要です。サイベースがSAP傘下となったことで、IBMとサイベースのWin-Win関係はますます強まったと考えていただいてよろしいかと思います。
栗原氏
今回のサイベースとIBMとの協業も、企業の高まる分析系ニーズや問題解決を共同で行う顧客志向の強力なパートナーシップと言えますね。本日はどうもありがとうございました。