はじめに
前回は、Excelでデータを管理している方を対象に、ExcelとAccessの違い、ExcelからAccessへ移行するメリット、リレーショナルデータベースの構築、および、Excelデータファイルのインポート方法などを紹介しました。
今回は引き続き、それらのテーブルまたはクエリに基づいて、誰でもデータ入力しやすいように、オートフォームやウィザードを使って手軽にフォームを作成する方法を解説します。
フォームを作成するメリット
フォームは、パソコン初心者の方や、データベースがわからない方でも、簡単にデータ入力ができるようにするものです。フォームを作成することによって、主に、以下のメリットが生まれます。
- 誰でも簡単にデータ入力できる
- 編集不可などの制御により、データベースを安全に運用できる
- データの参照・検索がしやすくなる
確かに、テーブルやクエリのデータシートビューからデータを入力することはできますが、パソコン初心者の方にとってはあまりわかりやすいとはいえません。
特に、不慣れな人が、クエリをデータシートビューで開き、他のテーブルを参照して表示しているだけのフィールドを、知らずに直接編集するとまずいことになります。しかしフォームでは、入力する必要のないフィールドを省略したり、タブオーダー、編集不可などの制御が可能になったりするので、安全にデータベースを運用することができます。
仮に、売上データを入力していくときに、その顧客情報に変更があった場合、別に用意された顧客データベースを編集する必要がでてきます。そこで、マスター情報も個々にフォームを用意し、ボタンをクリックするだけでその該当するマスタ編集フォームを表示させるようにすると便利です。また、フォームをデザインすることによりデータが見やすくなります。
フォームの種類
フォームの形式は大きく分けて以下の6種類あります。ただし、ピボットテーブルフォームおよびピボットグラフフォームは、Access 2002以降の形式では作成できません。
単票形式 | 一度に 1 レコードだけ表示します。顧客情報などのマスタ登録、修正などに最適です。 |
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表形式 | 1度にたくさんのレコードを表形式で表示します。 |
データシート | レコードをExcelのワークシートのように表示します。 |
帳票形式 | フォームの詳細セクションに収まる限りのレコードを表示します。 |
ピボットテーブル | Excelのピボットテーブルと同様、対話式のテーブルで表示します。マウスで操作することにより、様々な角度から動的にデータを分析できます。 |
ピボットグラフ | Excelのピボットグラフと同様に、対話式でグラフを作成できます。 |
単票フォームで作成した後、ツールバーの(ビューボタン)の右横の▼印をクリックして、一覧から[データーシートビュー]を選択することによって、簡単にフォームビューからデータシートビューに切り替えることもできます。
もし、複数のテーブルをつなげたクエリを基に作成する場合、下の図のように、単票フォームの中にデータシートビューが組み合わせられた、サブフォームを作成することもできます。